[特集]
世界のベトナム人街を訪ねて【ヤンゴン編・後編】
2026/01/11 10:30 JST更新
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濃厚ソースの正体は
ベトナムの軽食といえば、なんといってもバインミーだ。ミャンマーにもバインミー店がきっとあるだろう思い調査をしたところ、やはりあった。その名も「マイ・バインミー・ミャンマー(Mybanhmi Myanmar)」。地図で見ると店舗を複数展開している。そのうちの1つが入店するショッピングモール「ジャンクション・スクエア(Junction Square)」を訪ねた。
マイ・バインミー・ミャンマーは特に気にしなければ通り過ぎてしまうような小さな店だが、訪れたのが昼時近かったこともあり開店直後から現地の人が来てバインミーを食べていた。
小ぢんまりとしたマイ・バインミー・ミャンマーの店舗
「ローストポーク」、チャーカー(ベトナムさつま揚げ)入りの「フィッシュケーキ」、卵焼き入りの「エッグロール」などメニューはさまざま。「レモングラスチキン」を除いていずれも辛味が加えてある点も、辛い料理が多いミャンマーらしい。
ここでは「ローストポーク」と「グリルドビーフ」を注文してみた。
手際よくバインミーを作っていく
5分ほどで出てきたバインミーを見て驚かされたのは、あふれそうなほどソースがたっぷりかけてあったためだ。まさにバインミー界の「つゆだく」。そういえば同店の食事用テーブルにも、数種類のソースが置いてある。ソース多めのバインミーに、さらにソースをかけて食べるのが現地好みなのだろうか。ともかく食べてみた。
大ぶりのなますがたっぷり入ったその下にローストポークやパクチーがたたずんでいて、全体的にはバインミーの味となっている。
食べる前にパンをトーストしてくれるため、温かく歯ざわりが良い
しかし、やはりソースの存在感が強めだ。スイートチリソースのちょっとした辛さと、マイルドで濃厚なソースが混じっているのだ。半濁した黄色っぽい色合いの濃厚ソースが何なのか、とても気になった。テーブルの上にも同じソースが置いてあり、1滴たらして食べてみるも、原材料が何なのか分からない。強い塩辛さ、甘さというよりも、油分も多少感じられてコクがあるといった風味だ。そこで店員の女性に聞いてみた。
英語で聞いてみたところ、あまり通じなかったので、ソースのボトルを指さしながら身振り手振りで聞いた。女性は戸惑う様子を見せるも、ちょっと考えて現地語で答えてくれるのだが、今度はこちらが分からない。これを繰り返すこと数回。見るに見かねた他の女性店員と男性店員が寄ってきて、3人であれこれ相談している。3人の話し合いがまとまった後、女性がしきりに「エー・・・」と何かを言いかけるのだが、こちらは一向に理解できない。
その場にいた一同、しばらく膠着状態。止まった空気を動かしたのが、男性店員だ。何か名案を思いついたように表情がぱっと明るくなるや「エッグ!」と言いながらメニュー表のエッグロールを指さした。どうやらエッグ(卵)ソースらしい。
エッグバインミーも含む、マイ・バインミー・ミャンマーのメニュー
そうなると気になるのが、エッグソースが同店のオリジナルなのか、ミャンマーで一般的に使われているソースなのかだ。追加で質問しようとしたが、店員3人は外国人にメニューを教え切ったという達成感でいっぱいで肩をたたき合って喜んでいる。他の来店客も来ており、にわかに店が忙しくなったので聞けずじまいだった。
マイ・バインミー・ミャンマーの別の支店の様子
とはいえ、エッグソースは確かにミャンマー風のピリ辛の味付けを緩和する役割はあるようだ。ソース同士が交じり合い、今まで食べたことのない重層的な味のバインミーだった。
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ミャンマー在住のベトナム人に関する公式の統計はないが、ここ数年間はミャンマーの情勢や現地での強制労働などにより、ベトナム人が数百人単位でミャンマーから帰国したとのニュースが散見される。その数は合計で数千人に上るとみられる。
カンボジアやタイなどでも同様のケースが相次いでいるが、「楽な仕事で高収入」という誘い文句に騙されてミャンマーに渡航し、不法に滞在・就労しながらオンライン詐欺ルートや違法カジノなどに関与した後、現地で拘束され、強制送還されるベトナム人が多い。さらにはベトナムに帰国せず、そのままタイに渡るというケースもある。
こうした状況に対し、ベトナム外務省は、ベトナム国民の保護と帰国支援を実施するとともに、「楽な仕事で高収入」といった誘い文句に注意を呼び掛けている。
一方、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が流行する前には、ミャンマー外務省が2020年1月1日から同国を訪れるベトナム人観光客のビザ免除での滞在期間を14日間から30日間に延長することを決定した。
その数年前には、ベトナム~ミャンマー間の直行便が開設され、以前より手軽に行き来することが出来るようになったこともあり、相互の国を往来する人の数も増加しつつあった。しかし、新型コロナの影響で、多くのミャンマー在住ベトナム人も帰国を余儀なくされたのだった。
今はもうミャンマーでベトナムを感じられる場は数少なくなってしまったようだが、今回訪ねた場所はいずれも個性が際立っていた。それぞれの持つ雰囲気が「ミャンマー印のベトナム」を作り出す。これが非常にユニークな楽しい経験となった。たった30分の時差の地で、独特のベトナムを見られるミャンマーは心に深い印象を刻んだ。
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