タクシーの乗り方~トラブル回避のための基本~

2015/01/22 JST配信

ベトナムではバス、鉄道などの公共交通の利便性が高くなく、また発達していないため、バイク以外の移動手段はタクシーが中心になっています。都市部では多くのタクシーが運行しており、スコールやラッシュ時、テト(旧正月)期間を除き、タクシーをつかまえることは容易です。

どこで乗る?

乗り方流しのタクシーであれば、手を挙げて合図して止めるのが一般的。サービスアパートやホテル、レストランなどの前にはタクシーが待機していることが多いため、スタッフに呼んでもらいましょう。

また、自分で電話して呼び出すこともできます。オペレーターは英語対応もだいたい大丈夫。迎車代はかかりません。そのとき、タクシーの大きさを指定することもできます。運転座席を含まない4人乗り車両(4 seater)のことをベトナム語で「4 chỗ(ボンチョ~)」、7人乗り車両(7 seater)のことを「7 chỗ(バイチョ~)」といいます。(chỗ=場所、位置)

夜間の場合、タクシーの車上灯が点いていれば空車、消えていれば満車とすぐに見分けられます。

ホーチミン市で利用しやすいタクシーは?

※ホーチミン・ハノイのタクシー会社一覧(車体写真あり)

https://www.viet-jo.com/taxi/

運転手にもよりますが、ホーチミン市で在住外国人に比較的信頼されているのは、マイリン・タクシーとヴィナサン・タクシーの2社です。

マイリン・タクシー(Taxi Mai Linh)

(C) VIETJO Life

車体は、緑一色のものと、白地の下に緑のラインが入っているもの、2種類あります。運転手は白いシャツに緑色のネクタイを着用しています。

電話番号:08‐38 38 38 38

ウェブサイト:http://www.mailinh.vn/

ヴィナサン・タクシー(Vinasun Taxi)

(C) VIETJO Life

白い車体の下のほうに、深緑と赤い線がはいっています。運転手は白いシャツに赤いネクタイを着用しています。

電話番号:08‐38 27 27 27

ウェブサイト:http://www.vinasuntaxi.com/

どちらの会社も、最近は女性の運転手さんも増えてきました。女性で運転手になる人はよっぽどの車好きなので、概ね運転が丁寧で上手。道もよく知っており、安心して乗れます。

料金システム

ほとんどのタクシーがメーター制。初乗り料金やその後の加算システムは、会社や車の大きさによって多少異なります。

マイリンタクシー(Taxi Mai Linh)の場合、料金は以下の通りです(2014年1月16日時点、税込み)。

<ホーチミン市>

|=. 車種|=. 初乗り(0.7km)|=. 30kmまで|=. 30km以上|

|=. 小型車|=. 9,000VND|=. 14,000VND|=. 14,400VND|

|=. セダン|=. 10,000VND|=. 15,300VND|=. 13,400VND|

|=. 7人乗り|=. 10,000~11,000VND|=. 16,000~17,200VND|=. 11,300~12,000VND|

<ハノイ市>

|=. 車種|=. 初乗り(0.7km)|=. 25kmまで|=. 25km以上|

|=. 小型車|=. 8,000VND|=. 12,000VND|=. 10,000VND|

|=. セダン|=. 12,000VND|=. 14,000VND|=. 11,000VND|

|=. 7人乗り|=. 12,000VND|=. 15,500~16,000VND|=. 12,500~13,000VND|

なお、待ち時間料金はいずれも、4分ごとに2000VND(約11円)。40km以上の距離を往復する場合は、復路の料金が6割引になります。通行料や施設入場料は別途支払いとなりますが、多めに請求する運転手もいますので、支払いを運転手に任せず自分で支払ってしまうのが最も確実。運転手が支払った場合は領収書と引き換えに支払うと良いでしょう。

タクシー利用時の注意

ドアは自動ドアではないため、自分で開けて乗り込みます。日本と違って右側通行ですので、進行方向に向かって右側のドアを開けて乗り込みます。左側のドアは安全のため外側からしか開かないようになっていますので、降りるときに左のドアを開けたいときは運転手に外側から開けてもらいます。

目的地を告げる時、住所を口頭で伝えても、ベトナム語の発音が正確でなければ理解してもらえません。また、地図に慣れていないドライバーが多いため、地図を見せても上下さかさまに持って首をかしげていることも。目的地の住所を記載したものを見せるのが最も良い方法です。住所はベトナム語表記が望ましいですが、英語表記でもたいてい理解してもらえます。

ちなみに、市内に同じ名前の通りが2つあるケースがあり、違う場所の同名の通りに連れて行かれたというトラブルが時々発生しています。少なくともどの区(quận、クアン)なのか伝えておくのが無難です。

車に乗りこんだらまず、メーターが初乗り料金になっているか、走り出した後メーターが動いているかどうかを確認しましょう。

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ヴィナサン・タクシーのメーター

メーターが動いていれば、走行距離を表す数字が必ず動き出します。上の写真の場合では、メーター右上の数字です。中央の大きな数字が料金です。表示には「17」の横に小さな「0」がついていますが、これは「1万7000VND」という意味です。2万1500VNDであれば、「21」の横に小さな「5」が表示されます。マイリンの場合は、「17.0」「21.5」と表示されます。

外国人が現地通貨に慣れていないのにつけこんで、一桁多い料金を請求する悪質な運転手もいますので、注意が必要です。

また、ゆっくり走っているにもかかわらず、メーターがガンガン上がるなど、細工が疑われる場合は、気づいた時点で車を降りましょう。その際、タクシー番号(フロントガラスの右上や前座席の背面部分などに記載あり)を控えておいて、運転手のいないところでタクシー会社に報告するのが望ましいでしょう(報復されないための用心)。最近競争が激しくなっていること、運転手の希望者が多いことから、大手タクシー会社は客から苦情があれば運転手を処分します。

運賃の支払い

精算時におつりがないと言ってくるドライバーもいるため、細かいお金を用意してから乗りましょう。千ドン単位のおつりは、チップとみなされて、返されないこともあります。逆に、細かい持ち合わせがなくて、500VNDや1000VND足りないぐらいだと、おまけしてくれることもありますが。

降車時には忘れ物、落し物がないか必ずチェックする癖をつけましょう。乗客の忘れ物を返した運転手が表彰されたり、美談として大々的なニュースになるお国柄。忘れたものは戻ってこないのが当たり前です。多くの在住日本人男性が、飲んだ帰りにタクシーの中で携帯電話を落としてなくしています。飲んだ帰りは要注意です。

白タクに注意

車体のロゴが、ペイントではなく、マグネットシールで貼り付けられているものは白タクのため、乗車しないようにしましょう。大手のマイリンやヴィナサンに似せた車体にしているものが多いです。運転手が制服を着ているかどうかも、見分けるポイントになります。

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白タクはメーターに細工がされていたり、高額な料金を請求されることがあります。特にベンタイン市場や戦争証跡博物館など、有名な観光スポット付近にこの手のタクシーが多いので要注意です。

日本と違い、街中であればワンメーターでも嫌な顔せず乗せてくれることの多い便利なベトナムのタクシー。トラブルのないよううまく活用したいものですね。