ベトナム人社員との働き方~より良い職場環境づくりを~

2017/05/17 JST配信

いざベトナムで働き始めると、ベトナム人社員の協力なしには、業務が進められない、という状況に直面することが出てきます。私たち日本人もベトナム人スタッフを理解し、どう協働して仕事を進めていくかを突き詰めることは、自分の仕事の質・効率を上げることに他なりません。

今回は、 「ベトナム人社員との働き方」 というテーマで、彼らの国民性や就業観に迫りたいと思います。日本人と異なる彼らの考え方を知ることで、会社のリスク軽減や職場環境作りに役立てましょう。

家族愛の強さ

よく言われることですが、彼らベトナム人は自分の家族を非常に大事にします。家族愛の強さをどう測るかは難しいところですが、ベトナムに赴任した日本人の多くがそう感じるのですから、紛れもない事実と言えるでしょう。

例えば、当然のように 残業よりも家族との時間を優先 します。基本的には残業しないのがポリシーで、どうしても必要でよほど重要性が高くない限り、彼らは残業せずに帰宅します。

生活スタイルや年間行事に対する考え方も、彼らの家族愛の強さを表しています。核家族が多い日本とは異なり、ベトナムでは複合家族が主流。両親や祖父母と一緒に暮らしている人が多いため、必然的に 自分の意思決定にも家族の意見が反映されやすくなります 。自分の意思決定とは、主なところで言うと、進路選択、会社選択、結婚相手選びなどですね。様々なシーンで「家族要素」が加わってくるのがベトナムです。

また、ベトナム人と一緒に仕事をしていると、 「家族優先」で行動することが多い です。普段から、スタッフの家族構成や家族の現状等(特に健康状態)に耳を傾けているようにしましょう。そうすることで、「自分はあなたの状況に理解がある」と示すことにもなり、信頼関係に深みが生まれます。また、状況が把握できていれば、いつ何が起こり、仕事にどういう影響が出るかを、ある程度 予測を立ててリスク回避をすることもできます 。

見切りの早さ

20代の離職率が日本の2倍近いと言われるベトナム。彼らは 今の会社にいることが自分にとってメリットかどうかを、結構シビアに見ています 。

給与という金銭的な部分もそうですが、上司との相性、会社の方向性、仕事内容等々。もちろん日本人である我々も当然そういった部分は見ますが、彼らはその判断が極めて早く、「メリットがないな」と思えば、すぐに次の会社に移ります。それはそれで仕方がない、と割り切ることは簡単ですが、ベトナム人マネージャーであれ、スタッフであれ、我々日本人としては、避けられるのであれば避けたいもの。 「退職」というネガティブな雰囲気を生み出す要素は、周りへも連鎖反応を起こしやすい からです。

また、特に同じポジションでの入れ替わりが激しくなってしまうと、そこに関連する部署や担当者も疲れてしまい、悪い「気」が滞留するという負のスパイラルに陥ってしまいます。

ベトナム人は日本人以上に 「楽しい雰囲気」を重視する 傾向にあるので、ポジションに関わらず、社内環境の整備には、日本人が率先し配慮していきたいものです。

以上、「ベトナム人社員との働き方」についていかがでしたでしょうか。ベトナム人は「日本人に近い国民性」とは言われるものの、我々からするとやはり外国人です。いくら「日本文化に理解がある、日本語を話す人が多い」からと言って、そういうところに胡坐をかかずに、彼らの理解に努め、日本人にとってもベトナム人にとっても、より良い職場環境を作りたいものですね。

|_2. <執筆協力>|

||*JellyfishHR Co.,Ltd*

2013年8月から日系人材紹介会社としてベトナムに進出。現在「ハノイ 」「ハイフォン」「ホーチミン」の3拠点にて、日系、非日系問わず人材紹介サービスを提供しており、SNSを活用した無料求人サイト「Billion」の運営、また日本語教育サービスを提供している。

ホームページURL → http://jellyfishhr.jp/

ベトジョーライフでコラム連載中 → 「Voice ~ベトナム最前線で働く人の声~」