株式会社不二家(東京都文京区)と丸紅株式会社(東京都千代田区)の合弁会社である不二家ベトナム(FUJIYA VIETNAM、ホーチミン市)は、南部地方タイニン省(旧ロンアン省)のフウタイン工業団地で焼菓子製造工場を竣工した。

(C) 不二家

(C) 不二家

　11月より、「カントリーマアム」をはじめとする不二家ブランドの焼菓子の現地生産を開始し、ベトナム国内およびアジアを中心とした各国に販売する。

　同工場は、不二家として中国に続く海外2か国目の生産拠点となり、敷地面積約3万1000m2、建物面積約1万1000m2を有する。日本と同等の製造技術・品質管理体制を導入し、高品質な日本ブランド菓子を安定供給する生産基盤を構築する。

　さらに、同工場での生産品は、現地消費者の嗜好を踏まえて、風味調整やパッケージデザインの変更を行っている。今後は、新フレーバーの開発にも順次取り組む計画だ。

不二家の主力商品である「カントリーマアム」が属するソフトクッキーは、ベトナムにおいてほぼ未開拓の領域で、今後の伸長が期待される。

　不二家ベトナムは、2022年12月より日本で製造した不二家商品の試験的な輸入販売を実施し、ベトナム国内での流通網の開拓を進めてきた。これらの試験販売の成果と販売先からの評価を踏まえ、同市場での受容性が十分に高いと判断し、ベトナムでの生産開始を決定した。

　不二家の海外事業は現在、中国国内における菓子の製造販売が主力となっている。今回の海外2拠点目となる工場の設立をきっかけに、ベトナムから今後成長が見込まれるアジア各国に良質な商品を提供することで、不二家ブランドの定着・拡大を図るなど、海外展開を積極的に推進していく。

　同工場の稼働を通じて、これまで不二家が培ってきた商品開発力・製造ノウハウと、丸紅が蓄積してきたベトナムにおける食料品販売・マーケティングの知見を生かし、ベトナムの菓子市場の成長領域において、「カントリーマアム」をはじめとする付加価値の高い焼菓子の安定供給と販売を進める。

　さらに、ベトナム国内での販売強化に加え、アジアを中心とした各国への輸出拡大を推進し、不二家ベトナムの事業規模拡大と収益力の向上を目指す。