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　ファム・ミン・チン首相は国家主席府で13日、中国の李強(リー・チャン)国務院総理(首相)の歓迎式典を執り行った。式典後、両首相は政府官房に移動して首脳会談に臨んだ。李首相はこれに先立ち、トー・ラム書記長 兼 国家主席とチャン・タイン・マン国家主席とも会見した。

（C）Bao Chinh Phu

　チン首相は、これまでに複数回にわたり中国を公式訪問しており、現地で李強首相と会談したことがある。李首相は今回、12日～14日の日程でベトナムを公式訪問。中国首相によるベトナム公式訪問は、2013年の李克強首相の訪問以来で11年ぶり。

　両首相は今回の会談で、両党および両国の状況について報告。両国間の様々な分野における共通認識と協力合意の実施を評価し、効果的な協力と中越運命共同体の構築を促進するための方向性と措置について話し合った。

　チン首相は、建国75周年を迎えた中国に祝辞を述べ、ベトナムが常に越中関係を重視し、外交政策において、一貫して中国を最優先事項としていることを改めて確認した。一方の李首相も、中国がベトナムとの関係を非常に重視し、近隣外交政策において常にベトナムを優先事項としていると強調した。

　さらに両首相は、これまでの両国間の協力における成果に喜びを表明。政治的信頼が強化され、ハイレベルを含む各レベルでの訪問や交流が緊密に行われ、貿易やインフラ接続、地域間の協力が一層活発化していると評価した。

　今後の協力に関して両首相は、ハイレベルを含むあらゆるレベルの訪問や交流を維持し、特に外交、国防・安全保障、公安の分野における交流と協力のメカニズムを促進するほか、多国間のメカニズムやフォーラムにおいて相互支援していくことで一致。

　チン首相は中国側に対し、在重慶ベトナム総領事館の開設手続きの加速化、ベトナム産農産物への便宜、鉄道産業の発展への協力を要請し、◇ラオカイ～ハノイ～ハイフォン間、◇ランソン～ハノイ間、◇モンカイ～ハロン～ハイフォン間を含むベトナム北部地域と中国を結ぶ3本の標準軌鉄道路線プロジェクトについて、優遇融資や技術移転、人材育成などを通して協力するよう求めた。

　チン首相はまた、再生可能エネルギーや裾野産業、電気自動車(EV)、国際金融センター、自由貿易区、スマートシティ、デジタル経済、グリーン経済、循環経済など、中国が強みを持ち、なおかつベトナムにニーズがある各分野での大規模なハイテクプロジェクト実施で協力することを提案した。

　南シナ海問題について両首相は、ハイレベルの共通認識や「越中海洋問題解決の指針となる基本原則に関する合意」を厳格に履行し、国連海洋法条約(UNCLOS)を含む国際法に準拠する形で、双方が納得できる長期的な解決策を模索することで一致した。

　会談の末、両首相の立ちあいのもと、交通接続や税関、教育、農産物貿易、報道などの分野における10件の協力文書が締結された。

　なお、中国はベトナムと外交関係を樹立した最初の国(1950年1月18日)であり、ベトナムと包括的・戦略的パートナーシップを樹立した最初の国(2008年)として知られる。中国は現在、ベトナムにとって最大の貿易相手国で、ベトナムにとって第2位の輸出市場でもある。一方、中国にとってベトナムは東南アジア諸国連合(ASEAN)で最大の貿易相手国であり、世界第5位の貿易相手国となっている。

　なお、2023年における両国間の貿易額は1719億USD(約25兆6000億円)に達し、2024年1～8月期では、前年同期比+25％増の1308億USD(約19兆5000億円)へと大幅に増加した。2024年8月までの中国のベトナムへの累積投資認可額は290億USD(約4兆3000億円)で、ベトナムに投資している148の国・地域の中で6位につけ、累積投資認可案件数は4800件以上となっている。