フランスのニースで9日に開幕した第3回国連海洋会議(UNOC3)の全体会合で、ファム・ミン・チン首相が東南アジア諸国連合(ASEAN)10か国を代表して演説を行った。チン首相は、この会議が団結精神を呼び起こし、戦略的パートナーシップの形成を促進し、海のために変革を起こす触媒になることを期待すると強調した。

(C) thanhnien

　チン首相は、南シナ海は戦略的に最も重要な世界の海域の一つであり、主要な航路が集中し、数億人の人々の生活や安全保障の支えになっている一方で、世界の他の海域と同様に、気候変動や海面上昇、生物多様性の喪失、海洋環境汚染、過剰漁獲、地政学的な緊張など、深刻な課題に直面していると指摘した。

　チン首相は、これらの課題に対応するためにASEAN諸国と共有している4つの優先方針を示した。これは、◇海を常に平和・開発協力・共同責任の場として守ること、◇海洋ガバナンスにおけるグローバルなアプローチと地域的取り組みを推進すること、◇海洋を繁栄の主要な原動力と位置付けること、◇競争ではなく協力に基づく世界的な海洋ガバナンスの推進を呼びかけることの4つだ。

　また、1982年の国連海洋法条約(UNCLOS)と条約を実施するための協定の価値を重視するASEANとしての立場を再確認した。