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　ホーチミン市ビンタイン区22街区にある高級マンション「サイゴンパール(Saigon Pearl)」で12月22日夜、女児が父親の恋人から暴行を受けて死亡した事件で、同区警察は30日深夜、父親のグエン・キム・チュン・タイ容疑者(男・36歳)を実子に対する虐待容疑で緊急逮捕した。同区人民検察院が逮捕状を承認した。

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　この背景には、事件をめぐって国民が憤慨し、ファム・ビン・ミン第一副首相も自ら関連機関に対し徹底的な捜査を求めたことがある。

　同マンションに住むN・T・V・Aちゃん(8歳)は22日夜、心肺停止の状態で同区ビンメック病院に家族とマンションの責任者によって救急搬送された。父親のタイ容疑者は、娘が食べ物をのどに詰まらせたと説明していたが、Aちゃんの身体の至る所に大きなあざがあったほか、右のこめかみには以前に縫合されて治療済みの約2cmの傷跡があったため、虐待を疑った病院が警察に届け出た。

　初動捜査によると、タイ容疑者は以前、グエン・ボー・クイン・チャン容疑者(女・26歳)と不倫関係にあり、2020年に妻と離婚。2020年6月からチャン容疑者とマンションで同棲していた。前妻との間にもうけた子供2人は、長女のAちゃんをタイ容疑者が、長男(5歳)を前妻がそれぞれ親権を取得して育てることになった。

　タイ容疑者は離婚後、Aちゃんが前妻と会うのを拒んでおり、前妻がAちゃんと最後に会ったのは2020年12月のことだったという。隣人によると、まだ幼いAちゃんは、たくさんの家事をするよう言いつけられ、度々暴言と暴行を受けていたという。

　事件当日、チャン容疑者はAちゃんに宿題をさせている間、大声で怒鳴りながら蹴ったほか、直径2.2cm、長さ90cmの木の棒で殴っていた。Aちゃんが午後6時ごろに嘔吐し、ぐったりして動かなくなったため、チャン容疑者は仕事中だったタイ容疑者に電話をかけ、帰宅を求めた。タイ容疑者は娘に応急処置を施して病院に救急搬送したが、Aちゃんは病院で死亡が確認された。

　死因は急性肺水腫。検死結果では、複数の肋骨が折れており、骨折部位や頭部の皮膚下の血腫、軽度の脳浮腫も確認された。

　タイ容疑者とチャン容疑者の2人は事件直後に身柄を拘束されたが、タイ容疑者はその後釈放され、チャン容疑者は他人の子供に対する虐待容疑で捜査を受けることになった。

　容疑者らにかけられている罪名について、法律関係者らは、量刑に影響する罪名の確定の不徹底を指摘している。亡くなったAちゃんの実の母親は罪名を「不当」として、2人を傷害や殺人、犯人蔵匿の罪で厳格に処分するよう求めている。