銀行送金どうやればいいの?~ベトナムの給与を日本へ~

2015/11/09 JST配信

海外に住んでいても日本での保険料や年金の支払い、クレジットカードの引き落としなどが日本の口座に設定されている人は多いかと思います。そのため日本の口座に一定額の日本円を維持しておきたいのではないでしょうか。現地採用を中心にベトナムでお給料をもらっている場合、ベトナムの口座にお給料が振り込まれることが普通なので、日本の口座のお金は減る一方。ベトナムから日本に送金したい!なんてケースも結構あるのではないでしょうか。そこで、 ベトナムの銀行口座から日本の自分の口座へ送金する流れを紹介します。

 

基本的にはどこの銀行でも送金可能

ベトナムで口座を開くにあたり、大抵は会社からの指定や誰かからの勧めで銀行を選ぶことになるかと思います。現在は個人でもほとんどの銀行で海外送金の対応をしていますので、今自分が持っている口座で海外送金ができるかどうかを心配する必要はまずないでしょう。これから口座を開設するという方でもその点は特に心配無用ですが、不安であれば開設時にその旨を確認するようにしてください。

 

お金の出所が肝心

ベトナムから国外へ海外送金するに当たって最も重要なことは、「送金するお金の出所がはっきり証明されている」ことです。なので現金を直接銀行に持ち込んで海外送金を依頼したとしても、まず断られることになります。たとえその現金がベトナムで働いたお給料であったとしても、現金で自分が手にしている時点でそれがお給料であることを証明する手立てはないことになるのでご注意ください。

つまり事実上、口座内にあるお金でしか海外送金の出所を証明するのは難しいということになります。例えばお給料の場合、振込人が勤務先の会社であることが記録として銀行側でも残っているので、そのお金は確かに合法的な出所であると判断することができるわけです。ちなみに現金を自分の口座に預け入れする場合、日本のようにお金を持っていけば預かってもらえるというものではなく、労働契約書や売買契約書、入国時の税関申告書など、現金の出所を証明するものが必要となりますので、注意が必要です。何かしらの理由で手元に大量の現金があったとしても、観覧に自分の口座に入金はできないと理解しておいたほうがいいでしょう。

また、銀行によっては外国人で海外送金するためには一定期間以上ベトナムに滞在している場合に限定していたり、短期滞在は海外送金を不可とするなど各銀行により規定が異なります。この点については自分の口座を持っている銀行に直接問い合わせる必要があります。

なお、送金はUSD口座だけでなく、VND口座や日本円口座などからも行うことができますが、ベトナムでは同じ銀行でも支店や担当者によって対応が違う場合があるのでご注意ください。

(C) VIETJO Life

 

最低限用意するもの

各銀行で必要な書類は微妙に変わってきますが、ここではどの銀行でも大抵求められるものを紹介します。

(1)有効期限内のパスポートと送金内容に適したビザまたはレジデンスカード

(2)送金するお金の出所を証明するもの(給与が記載されている労働許可書、売買契約書、税関申告書など)

(3)海外送金フォーム(店頭で入手、記入可能)

窓口で海外送金したい旨を伝えると、係りの人が窓口に案内し、フォームに記入するよう促してくれます。外国人と分かると都市部では英語が分かるスタッフを当ててくれることが多いです。

銀行の送金フォームはベトナム語だけでなく英語も表記されています。フォームには概ね次のような情報を英語またはベトナム語で書くことになります。入金先の銀行の英語名やSWIFTコードなどは予め調べて、メモを持参するようにしましょう。書く場所はスタッフがちゃんと教えてくれますので、わからない場合は躊躇せず聞きながら記入してください。

記入例:

+ 日本の受け取り口座の銀行名及び支店名

 (例)SUMITOMO MITSUI BANKING CORPORATION, KANDA BRANCH

+ SWIFTコード

 (例)SMBC JP JT

+ 口座のある支店の住所

 (例)1-1 Ogawamachi, Kanda, Chiyoda-ku, Tokyo, Japan

+受取人口座名義

 (例) SUZUKI TARO

+支店番号及び口座番号

 (例)219-1234567(店番号-口座番号)

+ 日本の銀行に登録している自分の住所及び電話番号

+ 金額の英語またはベトナム語表記(算用数字だけでなく文字での表記も求められます)

 (例)One hundred million VND または Một trăm triệu VND

 (参考) ベトナム語で数字言える?~慣れれば簡単!読み方の法則~

銀行によっては海外送金フォームをウェブサイトで公開しているところもありますので、海外送金する際には一度ホームページを確認してみてもいいでしょう。

 

海外送金にかかる手数料

手数料は、送金する金額から差し引くこともできますし、別途口座から引き落としてもらうこともできます。また、手数料は送る側の銀行だけでなく、受け取り先の銀行でもかかりますが、それも送金額から差し引くか、別途負担するかを選択することができます。送る側がすべて負担する場合は「OUR」、受け取り側がすべて負担する場合は「BEN」、両者がそれぞれ負担する場合は「SHA」という略号がついていると思いますので、当てはまるものにチェックを入れます。

ベトナム側の手数料は、エクシムバンクの場合は次の通りです。

○ エクシムバンクの海外送金手数料

・ 送金手数料:送金額の0.2%(最低5USD)

・ 電信費:送金の種類によって1取引につき10USD~

ベトコムバンクの場合は、送金手数料が送金額の0.15%(最低5USD、最高150USD)、電信費が1取引につきUSDは10USD、円またはEURの場合は40USD、その他外貨は20USDとなっています。つまり、送金するときは USDが最も手数料がかからない ことになります。

日本側でかかる手数料は、三井住友銀行の場合、次のとおりです。

○ 円貨建てで送金され、円預金で受け取る場合

 ・被仕向送金手数料:1500円

 ・円為替取扱手数料:送金額の0.05%(最低2500円)

○ 外貨建てで送金され、円預金で受け取る場合

 ・被仕向送金手数料:1500円

○ 外貨建てで送金され、外貨預金で受け取る場合

 ・被仕向送金手数料:1500円

 ・リフティングチャージ:送金額の0.05%(最低2500円または25USD)

つまり、日本側でも、 USD建てで送金して円預金で受け取るのが最も送金コストがかからない ということになります。

今回の2000USDの送金額にかかった手数料は、ベトナム側で5USD+10USD、日本側で1500円。合計でおよそ3800円でした。

 

2000USDをベトナムから日本へ送金した結果

今回2000USDをベトナムで送金。手数料はすべて送金額から差し引く設定にしました。概要は次のような感じになります。

送金額: 2000USD - 手数料15USD = 1985USD

受取額: 23万7518円

     23万7518円 + 手数料1500円 = 23万9018円 = 1985USD

着金額から当日のレートを求めてみたところ、1USD=120.412円となりました。送金日に市中の両替商で両替しても同じ程度だったと思います。送金額2000USDを手数料を含めた着金額でレート計算すると、1USD=118.759円。たぶんUSD現金を日本に持ち帰って円に両替するとこのくらいのレートになってしまうのではないかと思うので、そんなにお金がかかった気分にはならないですね。

 

早ければ翌営業日着金

送金から着金の日数ですが、私は土曜日に手続きしたため月曜日の送金と言われ、翌火曜日が日本は祝日で休み、水曜日には着金していました。つまり、 手続きから翌営業日には着金 したことになります。今回は資本提携しているエクシムバンクから三井住友銀行への送金だったから早かったのかもしれません。一般的には3営業日程度といわれています。

 

ベトナムの銀行は朝早くから営業、土曜日の午前もオープン

ベトナムの銀行は 朝7時半から と早くからやっていて意外と便利。土曜日も午前中11時半まで営業しているので、実際の送金は月曜になりますが、土曜日に手続きだけ済ませることができます。但し、日本と違って長い昼休みがあります。各支店の営業時間をよく確認しましょう。

<関連記事>

銀行口座開設の方法 ~ベトコムバンクの場合~