ベトナムの鉄道は長距離路線がメインで、都市鉄道の整備はまだ始まったばかりです。首都ハノイと南部の経済都市ホーチミンを結ぶ南北線(統一鉄道)が基幹路線で、両都市間の1726kmを結んでいます。平均時速は50km未満と速度は早くありませんが、のんびりとベトナム各地を旅するにはよいかもしれません。
ベトナムの鉄道路線
ベトナムの鉄道路線はすべてベトナム国鉄(VNR=Vietnam Railways)の運営となっており、主要路線であるハノイとホーチミンを結ぶ南北線(統一鉄道)とハノイから伸びる5本の地方路線(うち1路線は中国と接続)があります。ここでは主に南北線を紹介します。
By Vietnam_map.svg: Mouagip / CC-BY-SA
ベトナムの鉄道
ベトナムの鉄道は全線が非電化で、先頭のディーゼル機関車が後続の客車、貨物車を牽引する列車です。また、レール幅は中国路線以外は1000mmの狭軌となっており、世界標準の1435mmの標準軌より狭くなっています。(ベトナムの現行法律では、新線の整備は1435mmとなっています。したがって、現在整備が進むハノイやホーチミン市の都市鉄道は1435mmで整備が進められています。2022.08 追記)
Photo by VIETJO Life
南北線(統一鉄道)
ハノイとホーチミン全長1726kmを結ぶのが主要路線の南北線(統一鉄道)です。最も速い便でも33時間かかります。ホーチミンの駅は旧市名のサイゴンを冠したサイゴン駅と呼ばれています。時刻表にはサイゴン(Sai Gon)と表示されていますので間違えないようにしましょう。
南北線の便名にはSEがつけられていて、ハノイから南へ下る便が奇数、ホーチミンから北へ上る便が偶数となっています。(例:ハノイ発がSE1、SE3、SE5、SE7便、ホーチミン発がSE2, SE4, SE6, SE8便。)
ベトナム鉄道の座席の種類
次の5種類の座席があり車両ごとに別れています。
座席にはエアコンありとなしがあり、エアコンなしの車両には扇風機がついています。寝台席の価格は下段>中段>上段と上に行くほど安くなりますが、その差はわずかなので下段を押さえておきたいところです。寝台席の場合は目的地にもよりますが、航空券のキャンペーン価格と同程度か逆に上回ることもあります。
Photo by VIETJO Life (ハードシート)
ハードシート(エアコンあり/なし)
ハードシートは木製で直角のため、3時間を超えるような場合はソフトシートのほうがよいでしょう。座席間に仕切りがないのでソフトシートより広めに使えるのがよい点かもしれません。最も庶民的な車両なのでソフトシート車両よりも和気あいあいとした雰囲気があるのも(時に騒がしいことも)特徴です.
ソフトシート(エアコンあり/なし)
ソフトシートは2列+2列の個別リクライングシートです。ハードシートに比べると快適度は高いです。夜行列車ではない長距離便ではこちらがよいでしょう。
ハードベッド(エアコンあり、上段/中段・下段)
3段ベッド(6人)のコンパートメントです。上段にいくほど狭くなりますので(料金は上段に行くほど安いです)下段がお奨めです。上段、中段は天井が低いので、窓の外をぼんやり眺めながら旅行気分に浸るという感じでもありません。そのため、日中便であれば逆にソフトシートの方がよいかもしれません。
ソフトベッド(エアコンあり、上段/下段)
2 段ベッド(4名)のコンパートメントで、統一鉄道で最も運賃の高いカテゴリです。4人部屋なので、1コンパートメントを家族・友人同士で借りきるという楽しみ方もできるでしょう。
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ベトナム鉄道時刻表
http://210.245.63.220/GiotauGiaVe/Default.aspx
まず時刻表で路線と便名を確認しましょう。ベトナム語のみですが、地名が書かれているので、わかりやすいです。
運賃
ハノイ・ホーチミン間(1726km)の場合、最も安いハードシートの73万4000VND(約4100円)から4人コンパートメント下段の179万2000VND(約1万円)となっています。