【第47回】ベトナムの小売は現在どうなっているのか?

2019/06/19 08:40 JST配信

ベトナムの小売市場は、2018年の年間平均成長率が10%を超え順調な成長を見せています。その 成長を牽引しているのが、コンビニやスーパーマーケット、デパートなどのチェーン展開を行なっている店舗 です。パパママショップのような伝統的な小売店舗が未だに大多数を占めるベトナムとはいえ、都市部を中心に多くのチェーン店舗が展開されるようになっています。

そんなベトナムの小売店舗の昨今の特長について、大きく3つを取り上げて見たいと思います。

チェーン店舗の地方展開

1つ目はスーパーやデパートなどの地方展開です。これらの店舗数の変化を見ると、ホーチミン・ハノイの二大都市の伸びよりも、その他の地域の伸びが高くなっています。これは ダナンカントーハイフォン などを含む中級都市にショッピングモールなどが進出 しているためです。これに伴い、フィットネスジムや映画館などの地方展開が促進され、地域の若者の生活が少しずつ変化を見せています。

M&Aなどの小売再編

2つ目は小売店舗ブランドの再編です。近年、多くの小売店がベトナムに進出していますが、その全てが上手く行っているわけではありません。フランス資本の小売大手Auchan(オーシャン)グループはベトナム進出から数年で 先日撤退を決めShop&GoFivimart などの小売店、 Vietnthong A のような家電店も Vingroup(ビングループ) 傘下となりました。また昨年一気に店舗を増やした MINISOMUMUSO などのいわゆる「ミニストア」の新規店舗展開が鈍化しているように見受けられる一方、 資本力のあるローカル企業が勢いを一層つけています

ビングループによる寡占化

3つ目はビングループの成長を挙げたいと思います。スーパーやデパート、ショッピングモールなどの展開で目立つのがビングループの勢いです。 ビンマートビンマートプラス といった 独自ブランドの展開に加え、積極的なM&A によって、近代小売店舗におけるビングループのシェアは一層高まっています。

例えば、すでにスーパーの3割以上、デパートの7割がビングループ配下の店舗となっており、コンビニに関しても、先日買収したShop&Goを加えると半数以上のシェアを保持することになります。

数年前と比較すると、明らかにお金持ちが増え、ベトナム消費者の出費傾向も変わってきているとは言えますが、その成長を小売店が十分享受できているかというとそうとも言い切れません。思いの外不動産などのコストがかかったり、単価が上がらなかったりと潜在性の高いベトナムとはいえ、計画通りにいかないケースも多く見られるようです。

著者紹介
株式会社Asia Plus代表取締役社長 黒川賢吾

株式会社Asia Plus ( www.asia-plus.net )代表取締役社長。
NTT、ソニー、ユニクロにて海外マーケティングを担当。
2014年にAsia Plusを設立しベトナムマーケットリサーチサービス
「Q&Me( www.qandme.net )」を展開中


統計から見るベトナム
その他の記事はこちら>
© Viet-jo.com 2002-2026 All Rights Reserved 利用規約 免責事項

新着ニュース一覧

 政府は航空輸送に関する政令第208号/2026/ND-CPを公布した。同政令では、フライトの遅延や欠航、スケジ...
 南中部地方ダナン市のダナン国際空港で15日より、外国人の入国者を対象とした「渡航情報事前登録システ...
 米経済誌フォーチュン(Fortune)は、東南アジアの大手企業500社のランキング「フォーチュン・東南アジア...
慣れない海外生活、急病や事故
何かあってからでは遅い!
今すぐ保険加入【保険比較サイト】
 ハノイ市ドンダー街区イエンラン通りにあるカフェ「モーフォー(Mo Pho)」のドアを開けると、店内は静ま...
 政府は、従来のRON95ガソリンにバイオエタノールを10%混合したE10ガソリン(E10RON95)の導入ロードマッ...
 ハノイ市人民評議会はこのほど、都市秩序や交通に関する一部の違反行為の罰金を現行の2倍に引き上げる...
 ホー・クオック・ズン副首相はこのほど、ホーチミン市のサイゴンハイテクパーク(SHTP)の拡張と、SHTPの...
 日本政府観光局(JNTO)が発表した統計(推計値)によると、2026年5月の訪日ベトナム人の数は前年同月比▲2....
 日本の財務省が発表した2026年5月の貿易統計(速報)によると、ベトナムの対日貿易収支は前年同月比+14.2...
 ベトナムにおける電気自動車(EV)の普及に伴い、ノンストップ自動料金収受システム(ETC)による通行料徴...
 ベトナム人女性のグエン・ティ・タイン・ニャー(別称:Céline Nha Nguyen、39歳)さんが13日、北米...
 ホーチミン市のホンバン国際大学(HIU)傘下にあるホンバン国際大学病院(HIU Hospital、旧バンフック病院...
 ハノイ市人民評議会は15日の専門会議で、市内の道路および都市鉄道(メトロ)インフラの投資開発や管理政...
 ハノイ市人民評議会は15日、環状1号線内の低排出ゾーン(LEZ)導入案、およびクリーンエネルギー車への移...
 地場系大手コーヒーチェーン「ハイランズ・コーヒー(Highlands Coffee)」はこのほど、ホーチミン市中心...
トップページに戻る