メコンデルタ地方ティエンザン省チョガオ郡ホアディン村で、同村在住の男性グエン・バン・ソンさんが自宅庭の高さ20メートルのココナツの木に登ったまま5日間も降りてこなくなり、「ココナツ教」の再来だと野次馬が押し寄せる騒ぎとなった。
ソンさんは歯でココナツの実を割り、中のジュースを飲んで飢えをしのぎ、誰かが木に近づこうとすると実を落として威嚇した。ソンさんの父親によると、彼は2007年に結婚してから奇行が目立つようになり、以前にもココナツの木の上で「生活」したことがあったという。精神科で治療を受けてからは病状も安定していたが、旧正月(テト)2日に当たる1月27日午前に親せきと口論になったのをきっかけに様子がおかしくなった。
結局1月31日に地元警察が木の周りに網を張り巡らしてソンさんの救出を決行した。同日深夜に無事に木から下ろされたソンさんは直ちにティエンザン精神病院に収容された。診察にあたった医師によると、ソンさんには統合失調症の疑いがあるという。