北部ハイフォン市キエントゥイ郡トゥアンティエン村のグエン・ラン・チャウ(80歳)という老人は男児産み分け薬を処方する名人として名を知られている。その自宅には男の子を望む夫婦の行列が毎日できるほど。チャウ氏の診察法は単純で、脈を取り聴診器を当てた後、秘伝の漢方薬を処方するというもの。この漢方薬は1回の処方で36万~46万ドン(約1800~2300円)と決して安くはないが、これさえ飲んで指示された時期に夫婦生活を持てば必ず男の子が授かるというチャウ氏の言葉を信じて誰も批判する人はいなかった。
ところが、薬の処方を受けたにもかかわらず男の子に恵まれない夫婦が続出、どうしてかと詰め寄る夫婦には「安心しなさい。いずれ男の子が産まれる」と言い訳して薬の服用を勧めていたが、最近になってチャウ氏の実の娘も男児を望みながら2人続けて女の子を産んでいたことが発覚した。
ハイフォン市東洋医学協会のレ・タイン会長は、飲むだけで男女を産み分けることのできる薬など存在せず、チャウ氏の「男児産み分け法」は科学的根拠がないものだと切り捨てるコメントを出している。