ビンズオン省人民裁判所は23日、2017年12月に同省トゥアンアン町で起きたバラバラ殺人事件で、被害者の男性を殺害したとして殺人罪に問われていた妻のハン・ティ・ホン・ジエム被告(33歳、メコンデルタ地方ハウザン省出身)に終身刑の判決を言い渡した。
起訴状によると、ジエム被告と夫のTさんは工場労働者として働き、同町の貸し部屋に同居していた。2人の子供がいるが、経済的に余裕がなかったため、ハウザン省に住む同被告の母に子供を預けていた。しかし、Tさんは他の女性と不倫関係にあり、同被告が問い詰めると言い争いになり、殴り合いも日常茶飯事だった。
2017年12月15日深夜、外で酒を飲んで帰ってきたTさんとジエム被告は再びけんかになり、Tさんが刃物で同被告に切りかかった。これを避けて刃物を奪った同被告は激怒し、Tさんの首、顔面、腹部、胸部を複数刺して殺害した。殺害後は局部を切り落として遺体を解体し、複数の袋に分けて何か所かのごみ置き場に捨てたという。
同被告は裁判で罪状を認め、反省の意を示した。自分の行為について同被告は、「余りにも憎く悔しかったため、手を出してしまった」と供述した。
悪質な行為だったものの、裁判所はTさんにも非があったこと、子供2人がいることなど同被告の境遇に情状酌量の余地があるとして、終身刑の判決を下した。