北部ハータイ省ハードン町に、子だくさん夫婦[夫:ナムさん(39)、妻ハイさん(38)]がいる。この夫婦は1989年から2005年までに男7人女3人の子をもうけ、しかもその間に5人流産しているという。わずか5分の1畝の小作田から年2回500キロずつ籾を収穫しても、12人家族のお腹を満たせるわけはなく、カニや魚を捕って売っては生活の足しにしている。20平米の家にあるベッド2つとタンス、テレビが唯一の財産だ。
長男は中学2年まで学校へ行ったものの、6年生の次女はまだ字が読めない。さすがにここ何年かは出生届を出しに行きづらく、出生証明書のない子供たちは小学校入学すらできないでいる。
ハイさんは言う。「5番目が生まれたあと、避妊手術を受けようとしたけど、うちの人に病気になるからって止められたの。避妊リングも着けたけど合わなかったみたい。10人も産みたいわけじゃなかったのに・・。」
家族計画普及活動もなぜかこの夫婦のところに足を伸ばさず、村の婦人会は、「会員にすると村全体の産児制限の成績が悪くなる」のを嫌って会に誘わなかったからこんなことに・・と率直な心情を語っていた。