ベトナムの水産加工品輸出額はこの数年増加し続けているが、最近その品質に対して外国で何度も警告が出されている。しかし、国内では検査体制が整っていないという理由で品質問題は放置されたままとなっており、国内消費者の健康への影響が懸念されている。
ベトナム水産輸出加工協会(VASEP)によると、今年4月、アメリカ食品医薬品局(FDA)の検査で抗生物質などが混入していたとして、ベトナム企業30社近くの製品が返品された。5月には日本の厚生労働省がベトナムのエビ製品などに抗生物質を検査で検出し、11社に警告した。
水産省のルオン・レ・フオン次官は、「この問題の解決には、水産業界だけでなく社会全体の意識改革が必要だ」と話す。同省は発がん性のある抗生物質の水産物への使用・販売を禁止しているが、管理できていないのが実状だという。また、国内でも水産品の検査は規定上必要とされているが、実施できていないと認めている。