農業農村開発省栽培局が24日に開催した「肥料分野の行政処分に関する政令草案」の意見聴取セミナーで、多くの出席者が「偽造された肥料や品質の粗悪な肥料の流通が後を絶たず、ベトナムの農業全体に深刻な被害をもたらしている」と訴えた。
全国の9つの省の報告によると、検査を行った270種類の肥料製品のうち110種類がパッケージに記載された成分表示の含有量を満たしていなかった。中には、リン酸含有率16%以上と記載しておきながら、実際には0.05%しか含有していないものもあった。
栽培局のファン・フイ・トン局長は、肥料の生産・販売に関する法規がまだ整備されておらず、他の分野と共通の規定が適用されているため、粗悪品取り締まりの対応が各機関によって異なっていると指摘。「現行の規定では違反に対する処分が甘いため、罰金を納付したうえで粗悪品を市場に流通させ続ける企業が多い。さらに、品質検査の結果が出るまで製品を差し押さえできるとする規定がないため、粗悪品と確認が取れたときには売られてしまっている」と語った。一方メコンデルタ地方カマウ省農業農村開発局の代表は、含有成分が成分表示より80~90%も足りない肥料は「粗悪品」ではなく、「偽造品」として刑事責任を追及すべきだと主張した。
「肥料分野の行政処分に関する政令草案」には、粗悪品の生産・販売行為に対して50万~1億ドン(約2700~53万円)の罰金、営業認可の取り消し、社名の公表などが盛り込まれている。また偽造品の場合は、売上額に応じた罰金を科すとされている。