ベトナム初の原子力発電所の建設が省内2カ所で予定されている東南部ニントゥアン省の人民委員会は、2基目の原子力発電所の建設予定地を1基目の隣接地に変更したいと提案している。この案について、各方面から慎重に検討すべきとの意見が相次いでいる。
原発建設については昨年11月の国会で決議が採択されており、この決議には第1発電所(出力2000メガワット)は同省トゥアンナム郡フオックジン村に、第2発電所(同2000メガワット)は同省ニンハイ郡ビンハイ村に建設すると明記されている。
同省人民委は建設予定地変更の理由について、「2基の原発を2カ所に建設する必要性がないのであれば1カ所にまとめたほうが効率的」、「複数個所での原発建設は他の投資案件に影響する可能性がある」ことなどを挙げているもようだ。
これについて、原子力エネルギー研究所のブオン・ヒュー・タン所長は、仮に予定地が変更されても建設スケジュールには影響を及ぼさないだろうとコメントしているが、ベトナム電力グループ(EVN)の幹部は2カ所で建設することを前提とした準備作業が既に進んでおり、これからの変更は作業量の増大を意味すると懸念を示した。
商工省エネルギー部のタ・バン・フオン部長は、ニントゥアン省人民委から正式な提案を受けてから慎重に検討することになると述べたうえで、原発を2カ所に建設することについては十分な検討を経たうえで決定し同省人民委も承認したはず、と語った。