腐敗・汚職に対して取り組む国際的な非政府組織トランスペアレンシー・インターナショナル(TI)は8日、「社会の透明性」におけるベトナム若年層の価値観に関する調査報告書を発表した。この調査は全国11の省に居住する15~30歳までの若者1000人を対象に行われた。9日付VNエクスプレスが報じた。
これによると、回答者の95%が「富より誠実であることの方が重要」、「贈収賄などを始めとする腐敗は国の成長に悪影響を及ぼす」と答えているものの、全体の3分の1が「医療、交通、経営などにおいて贈収賄現場を目撃したことがある」と答え、「仕事が円滑に進むなら贈収賄を許容してもいい」としている。
また、低学歴の回答者の内41%が「贈収賄の告発は自分が行うことではない」とし、高学歴の回答者の内41%が「贈収賄を告発しても無駄」と回答している。
この結果から、若年層の間で贈収賄の告発を避ける傾向が明らかになった。ベトナムでは贈収賄に対する取締りが緩く、告発者を保護する体制も整っていない。このような状況の中、多くの若者は「正直者は損をする」と思っている。