ベトナム科学技術研究所所属化学研究所によると、この数日、鉛中毒を引き起こしたとみられる風邪薬のサンプルと血液サンプルの分析依頼が増加しているという。28日までに受け付けた風邪薬のサンプル数は27件と1週間前の2倍で、全てのサンプルから鉛が検出された。29日付ティエンフォン紙(電子版)が報じた。
鉛中毒の疑いのある患者の血液サンプルの分析依頼は100件以上に上っている。患者は主に子供で、ハノイ市のほか、東北部のフート省、イエンバイ省、紅河デルタ地方のハイフォン市、ナムディン省、タイビン省などに広がっている。全てのサンプルから血中鉛濃度の基準値である15マイクログラム/デシリットルの5倍を超える鉛が検出された。
ベトナム漢方医協会のブー・クオック・チュン医師は、漢方薬として使われている鉛丹(酸化鉛)が鉛中毒を引き起こしている可能性があると指摘している。漢方医が鉛丹を使用する時は、鉛中毒を避けるため慎重に短期間の処方にとどめるよう指導されているが、正しい用法が守られていない恐れがあるという。