インドネシアを出航し中国に向かっていたベトナム航海総公社(ビナラインズ)所有の貨物船「ビナラインズ・クイーン号」がフィリピン北東の南シナ海上で消息を絶った事件で、生還した唯一の乗組員の証言から、同船が既に沈没しており、残り乗組員22人が死亡した可能性が高いとして、ビナラインズと保険契約を結んでいた保険会社各社が保険金支払いを開始した。今回の事故に対する保険金支払い総額はベトナム保険業界における史上最大のものになる見通し。6日付ザンベトが報じた。
同船の船体保険および船主責任保険を引き受けていたアグリバンク傘下のアグリバンク保険株式会社(ABIC)によると、船舶保険総額は2700万ドル(約20億7900万円)、船主責任保険は乗組員1人に対する保険金が1万5000ドル(約115万円)に上るという。
ABICは、同船の保険引受会社として事故当日から捜索活動の費用を直接支払っている。また、行方不明となっている乗組員22人の遺族には、それぞれ1億ドン(約36万5000円)を前払いした。
一方、PVIホールディングス[PVI]は、ビナラインズと同船の人的損害保険契約を結んでいる。乗組員1人に対する保険金は2万5000ドル(約192万円)。行方不明になっている乗組員22人の遺族にそれぞれ2億ドン(約72万9900円)を前払いした。