連邦航空局は2014年10月、連邦航空規定に違反したとして、米カリフォルニア州にあるAhartパイロット訓練所に業務停止命令を下した。同訓練所の経営者は既に夜逃げしており、同訓練所に在籍しているベトナム人のパイロット訓練生数十人が訓練途中で放り出された形になっている。
(C) tuoitre |
同訓練所のグエン・ドゥック・ミン所長は、訓練生1人当たりから学費や家賃など8万USD(約947万円)を回収した後、行方をくらました。ベトナム航空局によると、同訓練所にはベトナム人のパイロット訓練生79人が在籍しており、このうち21人が格安航空ベトジェットエア(Vietjet Air)から派遣され、残る訓練生は自費で留学している。この中で現時点までにパイロットライセンスを取得しているのは6人だけだという。
ベトジェットエアの訓練生については、会社の支援により、他の訓練所で訓練を続けられる見込みだが、その他の訓練生は家賃を払うことも、他の訓練所に通うことも出来ず、途方に暮れているという。
ディン・ラ・タン交通運輸相はこの状況を受け、ベトナム航空(Vietnam Airlines=VNA)に対し、「パイロットの需要があれば、彼らを支援し、訓練の継続および帰国後にVNAで働ける環境を整備して欲しい」と求めた。なお、VNAは今後毎年100人のパイロットを新規雇用していくとしているため、この要請に応じる可能性が高いと見られている。