国際調査報道ジャーナリスト協会(ICIJ)は9日、タックスヘイブン(租税回避地)に関する「パナマ文書」の一部を公開した。公開されたデータベースには20万以上のオフショア口座があり、このうち「ベトナム」のキーワードで検索できた口座は189ある。
(C) vnexpress, (左から)タオ氏、フン氏、トゥイ氏 |
189の口座のうち、ベトナム人の個人名(越僑も含む)は101人、外国人名は82人、法人名は6社あった。同文書では、ベトナムの仲介者(個人・組織)23件とオフショア企業19社のほか、ハノイ市とホーチミン市を中心とするベトナムの住所185件も公開されている。
ベトナム人の個人名の中には著名な企業経営者も含まれる。このうち、コングロマリット企業(複合企業)であるソビコ・ホールディングス(Sovico Holdings)会長で格安航空ベトジェットエア(Vietjet Air)社長のグエン・ティ・フオン・タオ氏、証券会社国内大手サイゴン証券[SSI]のグエン・ズイ・フン会長兼社長、ANZベトナム(ANZ Vietnam)元頭取のダム・ビック・トゥイ氏の3人は、いずれも通常の投資で、節税対策ではないとしている。
パナマ文書に名前が記載されていても、必ずしも法律違反を犯しているとは言えないが、関連機関が調査する糸口にはなる。ベトナム政府調査機関汚職防止局のファム・チョン・ダット局長は、「公開された情報に基づいて報告書を作成する。指示があれば国際的な協力を行う」と述べた。