南中部沿岸地方カインホア省人民裁判所は6月29日、インターネット上で政府や共産党を批判する内容の記事と動画を繰り返し投稿し、国家の利益を侵害したとして、反国家宣伝罪に問われていた女性ブロガーのグエン・ゴック・ニュー・クイン被告(女性・38歳、同省ニャチャン市在住)に禁固10年の判決を言い渡した。クイン被告は2016年10月に反国家宣伝容疑で逮捕されていた。
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起訴状によると、同被告は2012年から2016年にかけて、自身のフェイスブック(Facebook)ページやブログに、国の歴史を歪めたり、一般人が警察署での事情聴取後に死亡した事案31件を集めた上で警察をはじめとする公的機関、また国の指導者などを批判する内容を繰り返し投稿し、政府及び共産党のリーダーシップに対する国民の信頼に悪影響を及ぼしたとされる。
同被告は2009年に在米ベトナム人が率いる在外反政府組織「ベトタン(Viet Tan=『越新』)」から資金を受け取り、南中部高原地方でのボーキサイト採掘案件に便乗した反政府活動に参加して身柄を拘束されたことがある。釈放後も人権主張や反中を装った複数の反政府団体に参加し、全国でデモ行進を呼びかけていた。こうした活動により、2013年と2014年に行政処分を受けている。
公安省は2016年10月から、ベトタンをテロ組織として扱っており、同組織への参加、広報、勧誘、扇動、融資のほか、同組織から融資を受けたり、または同組織が主導する活動に参加するなどのあらゆる行為を「テロ支援」として厳格に処分する方針を示している。