ベトナム・ドイツ交通運輸研究センターは16日、ベトナムにおける自動車運転時の携帯電話使用に関する研究結果を報告した。研究グループは、ホーチミン市と東南部地方ビンズオン省の9地点で、車両の運転中に携帯電話を使用していた運転手21万人を対象に、車種や携帯電話を使用する具体的な行為、使用地点などを調査した。
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運転手が運転中に携帯電話を使用する割合が最も多かった車種はトラックで50%、次いで乗用車(39%)、長距離・路線バス(37%)、最も低かったのはバイク(8%)。また、電動自転車を運転中に携帯電話を使用する人はバイクや自転車の32~38倍多かった。
具体的な行為では、携帯電話を手に持ち通話やメッセージの送受信をする人が多く、ハンズフリーで通話する人は少なかった。携帯電話の使用地点は農村部の道路で最も多く、車両1000台あたり約11台の割合で使用が確認された。
携帯電話を使用する際に車両を停止した人はわずか6%にとどまり、33%が走行車線へ車線変更して減速、61%が速度を緩めずそのまま走行した。交通事故原因の6~8%は運転中の携帯電話の使用とされている一方で、インタビューに応えた人の50~60%が、自分の運転技能を信じ、携帯電話使用時もいつもと同じように運転できると回答した。
同センター長のブー・アイン・トゥアン博士によると、ある研究では運転しながら携帯電話を使用した場合に交通事故を起こす可能性は、使用しない場合の約3倍高くなるという結果が出ているという。
研究グループは、車両の運転中に手を使った携帯電話の操作禁止と、違反行為に対する罰金額の引き上げを提言している。今回の研究結果は国家交通安全委員会を通じて関連当局へ送られ、法改正や教育、検査の徹底などが検討される。
2008年に施行された現行規定では、バイク運転中の携帯電話使用は禁止されているものの自動車運転中は禁止されておらず、自動車の運転中に携帯電話を使用した場合、60万~80万VND(約2940~3920円)の罰金が科される。