北部紅河デルタ地方ビンフック省タムダオ郡ホップチャウ村(huyen Hop Chau)にある仏教寺院「ガーホアン寺(chua Nga Hoang)」の43歳の住職が、新聞記者の女性を性行為に誘って強姦未遂を起こしたと訴えられ、大きな波紋を呼んでいる。
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ベトナム仏教協会治事委員会ビンフック省支部は7日、審査の上でこの住職を解任した。法名はティック・タイン・トアンだったが、解任後は法名をはく奪され、一般人と同じく実名のレ・フウ・ロンを名乗らなければならない。
ホーチミン市女性新聞(Bao Phu nu TP.HCM)の女性記者が取材でこの仏教寺院を訪れた際、ロン氏に性行為に誘われた。ロン氏は車内で女性をレイプしようとしたが強く拒否されたため、自慰行為をしたという。同新聞社が公開した動画には、袈裟を着たロン氏が修行者にあるまじき言葉で女性記者を誘う様子が映っていた。
ロン氏は「嵌められた」と主張する一方で、修行者を辞めることを望んだ。そして、「これからはどんな遊びをしようが嫁をもらおうが、周りの人々に何か言われる筋合いはない」と感想を述べた。
2008年に住職となったロン氏は、ガーホアン寺が管理する土地などの資産の一部を自分の所有物として、修行者を辞めた後も寺に引き渡さない意向を表明。この資産の総額は2000億~3000億VND(約9億3000万~14億円)に上るとされている。この資産は仏教信徒からの賽銭や寄付金が原資だとされるため、この意向もまた世間を騒がせている。
ベトナムでは、寺などの宗教施設における賽銭や寄付金の収支を規定する法律が整備されていないのが現状だ。こうした中で、宗教施設の人々が信徒による寄付金を勝手に使ったり、自分の名義にして横領したりするケースが多い。
なお、グエン・スアン・フック首相は財政省に対して、宗教施設における寄付金などの収支を規定する法律を整備するよう指導してきたが、実現には至っていない。