国内大手コーヒーメーカーのチュングエングループ(Trung Nguyen Group)の会長を務めるダン・レ・グエン・ブー氏(50歳)と妻のレ・ホアン・ジエップ・タオ女史(48歳)の離婚裁判の上告審で、最高人民裁判所は控訴審判決を概ね支持した。これにより、夫婦の6年間にわたる泥沼離婚裁判に終止符が打たれた。
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判決によると、総額約7兆9320億VND(約378億円)の財産(現金、株式、不動産など)の分割について、ブー氏が4兆6870億VND(約223億円)、タオ女史が3兆2450億VND(約155億円)をそれぞれ受け取ることとする。
このうち、タオ女史が管理している銀行預金1兆5510億VND(約74億円)はタオ女史が全額を受け取る。株式5兆6550億VND(約269億円)については、ブー氏が全株を受け取り、タオ女史に株式相当分の現金1兆3180億VND(約63億円)を支払わなければならない。
タオ女史は子供4人の親権を持ち、ブー氏は子供4人の大学卒業までの養育費を支払う。
この離婚をめぐり、ホーチミン市上級人民裁判所は2019年12月に開かれた控訴審で、一審判決を概ね支持する判決を下した。今回の上告審で下された判決も、控訴審判決を概ね支持した形だ。
上告審の判決により、タオ女史はチュングエングループの株式を全て失い、ブー氏が経営支配権を完全に掌握することになる。
なお、タオ女史が経営支配権を握っているコーヒーメーカーのチュングエン・インターナショナル(Trung Nguyen International=TNI)は、コーヒーチェーン「キングコーヒー(King Coffee)」を展開するなど、チュングエングループと直接競争している。