ベトナム空港社[ACV](Airports Corporation Of Vietnam)によると、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)流行の打撃を受けてベトナムの航空会社の財政状況が悪化し、運航乗務員や客室乗務員などの収入が激減している。航空各社が、給与や賞与を含むコストを最大限削減したためだ。
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ベトナム航空[HVN](Vietnam Airlines)は、全国で社会的隔離措置が実施された2020年4月に従業員の半分を一時帰休としたほか、全従業員の給与を減額した。幹部職員は自主的に給与を返上した。同社の2020年給与報告によると、パイロットの給与は前年に比べ▲50%余り減少し、定期昇給計画も取り消された。客室乗務員とグランドスタッフの平均給与は、それぞれ▲48%、▲44.5%減少したと推計されている。従業員数は1600人余り減少した。
客室乗務員らの対応は様々だ。減少した給与を穴埋めしようと空き時間にアルバイトをする人、電子商取引(eコマース=EC)の商売に乗り出す人、転職する人、田舎に帰る人などもいる。
ある航空会社の客室乗務員Uさん(女性・29歳)は、給与が以前の20%程度となり、生活費を稼ぐためにホテルでウエイトレスのバイトを始めた。2か月ほど働いたが低賃金に嫌気がさして辞め、その後は食費を節約する生活が続く。客室乗務員の仕事に戻れなければ、故郷に帰ることも考えている。