多くの芸能人や記者などが誹謗中傷された事件で、ホーチミン市警察は24日夜、ダイナム株式会社(Dai Nam Corp)の社長グエン・フオン・ハン容疑者(女・51歳)の家宅捜索を実施し、容疑者を逮捕した。
(C) thanhnien |
ダイナムは、東南部地方ビンズオン省にある巨大テーマパーク「ダイナム公園」を開発・運営している。ハン容疑者夫婦は同テーマパークのほか、同省に広大な土地を保有し、不動産業界の大富豪として知られている。
ハン容疑者は刑事法第331条に抵触し、「自由および民主を乱用し、国家・組織・個人の合法的な利益を侵害した容疑」で捜査を受けている。
捜査結果によると、ハン容疑者は自身の財力や影響力を利用し、これまでに行った数百回ものライブ配信の中で、多くの人々の私生活に関連する未確認の情報を流して罵倒し、名誉と尊厳を侵害したほか、自身と対立する人々の自宅に人員を送って脅迫するなどして複数の省・市で治安びん乱を繰り返していたとされる。
ハン容疑者のライブ配信の視聴者数は25万人に達することもあった。容疑者から誹謗中傷を受けた人物として、司会者のチャン・タインやダイ・ギア、歌手のダム・ビン・フン、トゥイ・ティエン、ビー・オアイン、俳優のホン・バン、トゥイ・ジエム、記者のハン・ニーなどが挙げられる。
容疑者はライブ配信で、芸能人たちが貧困層を助けるためとしてファンから寄付金を集めながらも約束を守らず、貧困層にお金を渡さなかったという事実無根の噂を流布し、相手の私生活や仕事に混乱を招いた。警察が捜査を行った結果、芸能人たちは寄付金を横領していなかったことが確認された。
誹謗中傷を受けた多くの人々からの告発を受けて警察は捜査に乗り出し、容疑者に協力を求めたにもかかわらず、容疑者は法律を軽視し、捜査に応じなかった。家宅捜索では、違反行為に使われたとみられる多くの証拠物件が押収された。
同市警察は捜査のためとして、2月中旬から容疑者に対し出国禁止措置を適用している。
なお、容疑者は3か月間拘留される。近く開かれる裁判で有罪判決が下されれば、2~7年の禁固刑を言い渡される可能性がある。