ベトナム国立自然博物館(ハノイ市)は12日、トラ9頭の死体を引き取ったと明らかにした。これらの死体は、北中部地方ゲアン省にある民家の地下室で違法に飼育されていたトラ17頭のうちの9頭で、獣医当局が保護した後、しばらくして死亡した。
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これに先立つ2021年8月、ゲアン省環境警察は、同省イエンタイン郡ドータイン村(xa Do Thanh, huyen Yen Thanh)にある民家2軒の立ち入り検査を実施して、飼育中の成獣のトラ17頭を発見し保護した。獣医当局はトラ17頭に麻酔をかけ、ジエンチャウ郡(huyen Dien Chau)のムオンタイン・ジエンラム生態区に移送したが、ここでの保護中に9頭が死亡。その後、死体は冷凍保管されていた。
これらの死体は、いずれも絶滅危惧種に指定されているインドシナトラのもので、国立自然博物館が展示・研究目的でトラ9体の死体を引き取ることとなった。一方、保護された17頭のうち生き残った8頭は現在、ハノイ動物園で飼育されている。
なお、自宅地下でトラを違法に飼育していたグエン・バン・ヒエン被告(男・40歳)は今年3月、絶滅危惧種・希少動物の管理・保護に関する規定に違反した罪で、禁固7年の判決を受けている。トラの骨を原材料とする「虎骨膏」は、ベトナムを含む中華圏の国々で強壮や鎮静・鎮痛などの効能があるとされ、古くから密造・密売されている。