2019年10月23日にベルギーより英国に到着した冷凍コンテナ内から39人のベトナム人の遺体が見つかった事件で、英国の裁判所はこのほど、人身売買組織の元締めであるローナン・ヒューズ=Ronan Hughes被告(男・43歳、北アイルランド出身)に対し、遺族らに計18万ポンド(約2900万円)の賠償金を支払うよう命じた。
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ヒューズ被告は、ベトナム人らの不法入国を支援した輸送会社のオーナー。
裁判所は賠償金の支払いを確実とするため、被告が人身売買で得た現金や預金のほか、トラックや不動産など18万2079ポンド(約2930万円)相当の資産没収を命じた。このうち、18万ポンドが遺族に支払われる。なお、被告は過失致死罪で禁固20年の判決を言い渡されている。
遺族らは賠償金の支払いを受けるにあたり、ベトナム当局が手続きなどで支援することを望んだ。
この事件では、冷凍コンテナ内から男性31人と女性8人の遺体が発見された。いずれも人身売買組織に手数料を支払って英国へ不法入国しようとしたベトナム人だった。司法解剖の結果によると、死因は酸素欠乏および密閉されたコンテナ内の温度が高かったことによるものとされている。