弁護士事務所であるファップベト法律有限会社(Cong ty Luat TNHH Phap Viet、ホーチミン市)が違法な手段で債権回収代行業務を行っていた事件で、同社役員など容疑者60人が資産強奪容疑で起訴された。事件の捜査を担当する南部メコンデルタ地方ティエンザン省警察が明らかにした。
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容疑者のうち、チャン・バン・チャウ容疑者(男・43歳)とホー・クオック・フン容疑者(男・36歳)の副社長2人が主犯格として特定された。
同社は債権回収代行の事業登録をしていないが、6つの商業銀行とファイナンス会社との間で「法律サービス契約」を締結し、債権回収代行業務を行っていた。債権回収代行業務は3つのレベルに分けて行い、「レベル1」では債務者に電話をかけて罵倒したり脅迫したりしていた。
「レベル2」では、債務者に電話をかけて家族などの殺害をほのめかしたり、失業させると脅したり、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)で不適切な合成写真を拡散したりしていた。さらに「レベル3」では、債務者やその家族の自宅、勤務先に棺を運んだり、ガスボンベを設置して爆破すると脅迫したりしていた。
事件の被害者は300万人に上るとされ、同社が被害者から強奪した金額は総額1兆VND(約57億円)に達している。債権回収代行のサービス料金は成功報酬で、回収した債権の金額の24~35%となっていた。
なお、警察は事件に関与した商業銀行とファイナンス会社に対し、証拠物件として1兆VND(約57億円)を納付するよう求めている。