ホーチミン市のバスで車掌として働くファム・グエン・ズイ・トアンさん(男性・19歳)は1日朝、宝くじ売りの老婆が宝くじの束を車内に置き忘れて下車したことに気が付いた。宝くじの抽選が終わっては紙くずになると心配したトアンさんは、その日のうちに宝くじを全部売って、お金を持ち主の老婆に返却した。
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1日午前7時ごろ、ビンタイン区在住のグエン・ティ・マイさん(女性・67歳)は、ミエンドン・バスターミナル~ヒエップタイン市場を結ぶ146番のバスに乗った。
この時、マイさんは宝くじの束(42枚)を車内に置き忘れた。その後、車掌のトアンさんがバスターミナルで待機中の車内を清掃していたところ、宝くじの束を発見。すぐに、がん腫瘍病院前のバス停で乗車し、ハンサイン教会前で下車した老婆のものだと気が付いて探しまわったが、見つからなかった。
このまま探し続けても、いつ見つかるか分からない。見つかった時に宝くじの抽選が終わっていたら、ただの紙くずになる。もし宝くじが売れ残っていたら、老婆が責任を問われるかもしれない、そう思ったトアンさんは、自分で宝くじを全部売ることを決めた。
なんとか宝くじを全部売り終わると、42万VND(約2560円)のお金になった。同日午後4時ごろ、トアンさんは宝くじの落とし主であるマイさんに、売上金を返却した。トアンさんは、「この仕事を始めて1年。今まで多くの落とし物を拾って返却しました。僕がしたことは当たり前のことで、誰でも同じことをするでしょう。お婆さんがもう落とし物をしないよう願います。お降りの際は、お忘れ物のないようご注意ください」と話した。