- フオン氏に「アジアのノーベル賞」授与
- 枯葉剤被害者支援や体外受精分野で活躍
- 家族計画などに関する法律改正にも貢献
フィリピンのラモン・マグサイサイ賞財団はこのほど、「アジアのノーベル賞」と言われているマグサイサイ賞をベトナム人女性で医師のグエン・ティ・ゴック・フオン氏(80歳)に授与すると発表した。
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同財団によると、フオン氏はベトナム戦争中の1968年、インターンだった時に原因不明の重度の先天性異常を持つ子どもが立て続けに生まれることに衝撃を受けた。このことが米軍によって使用された枯葉剤に関する真実の発見と被害者のための正義の追求、ベトナム枯葉剤被害者協会(VAVA)との連携による被害者への支援に彼女の人生を捧げるきっかけになった。フオン氏は米国公衆衛生協会やその他のフォーラムでも枯葉剤被害者のために戦い、化学企業に賠償を求める運動を支援した。
同財団はフオン氏の「公共奉仕の精神と国民に広め続けている希望のメッセージ」を評価し、「戦争の誤りを正し、正義を回復し、不幸な犠牲者を救済するのに遅すぎることは決してないという証拠を示した」と称賛した。
フオン氏はホーチミン市ツーズー病院の元院長で、国内の体外受精分野で先頭に立ち、多くの家族に希望と喜びをもたらした。国会議員や国会副議長、国会対外委員会副主任などの職を歴任し、家族計画やリプロダクティブ・ヘルスに関する法律の改正に貢献した。
なお、同財団は今回、アニメ映画監督の宮崎駿監督にもマグサイサイ賞を授与する。