ベルリン交響楽団の唯一の越人楽員キエット・レ

2010/08/01 06:33 JST配信

 世界的オーケストラの一つであるベルリン交響楽団に入団することは、多くの演奏家にとって夢に違いない。その楽団に一人だけベトナム人バイオリニストがいる。彼の名はレ・ゴック・アイン・キエット(通称:キエット・レ)。

 ベルリンに設立されたベトナムとドイツの合弁会社ベトハウスのグエン・スアン・フン社長によると、キエット・レはドイツ在住ベトナム人の誇りであり、「誰もが会いたがる人物」だという。

 彼の毎日の仕事は、作曲、編曲、そして定期演奏会に備えた練習だが、その他さまざまな活動に参加している。ベルリンの複数の音楽クラブに参加するときは、クラシック以外のタンゴやエレクトロニカなどの音楽も演奏する。また、「トリオ・ザ・ベルリナーズ」や「サイゴン・ベルリン弦楽四重奏団」のメンバーとしても活躍している。さらに2008年にはベルリンに音楽学校を開設し、ベトナム人やドイツ人の子供たちに、クラシック、ポップス、ベトナム音楽などを教えている。ベトハウスの文化活動にも彼の存在は欠かせない。

 現在の成功は彼の努力なしにはありえなかったとはいえ、恵まれた家庭環境の中で成長できたという幸運は否定しがたい。父はトランペット奏者のレ・ティエン・チャック、母は歌手のモン・ゴックで、2人ともベトナムでよく知られているアーティストだ。2人の弟はそれぞれアメリカとドイツのサーカス団に所属している。

 キエット・レはベトナム戦争中の1973年までサイゴンの音楽学校で学んだ後、1984年に奨学金を得てロシアのレニングラード音楽院に留学、1990年に家族とともにベルリンに移住した。現在彼は妻や2人の子供と共に暮らしている。大きな夢を果たした彼の次の夢は、「いつの日かベトナムでベルリン交響楽団の演奏会を開いて、音楽を学ぶ若者たちに自分の経験や知識を伝えること」だという。

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