ハノイで過ごす時間は1日しかない。でもぜひともハノイの雰囲気や歴史にたっぷり触れてみたい。そんな外国人観光客のために、ハノイの観光ガイドがお勧めコースを案内してくれた。
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朝は早起きに限る。4時に起きてタイ(西)湖畔を散策すれば、霧の中のタイ湖を見ることができるかも。夏だったら涼しい風にハスの香りをかげるところだが、今は冬でハスの季節は終わっている。その代わりアウコー通りのクアンバー花市場に行こう。市内で一番大きな花市場で、午前3~4時ごろが最も賑わう。
夜が明けてお腹が空いてきたら、旧市街のバッダン通りかハンドン通りにあるベトナム麺フォーの有名店で、ハノイ独特の風味のあるフォーを食べよう。それからホアンキエム湖まで散歩する。ここでは湖の小島に建っている「亀の塔」の伝説に耳を傾けて欲しい。
次にホーチミン廟にお連れする。ベトナム人が「ホーおじさん」と愛情を込めて呼ぶ故ホー・チ・ミン主席を理解する素晴らしい機会になると思う。もしあなたがベトナム文学に興味のある人なら、ブイスオンチャック通りの路地にある作家グエン・フイ・ティエップ氏の自宅に立ち寄るのもいい。ティエップ氏はその作品が数多く翻訳され海外でも紹介されている。運が良ければ、ティエップ氏夫妻から昼食のお誘いを受けるかもしれない。
また、もしあなたが書道に興味があるなら、91歳になる書道家ブイ・ハイン・カン氏のお宅を訪ねるのもいい。氏の作品には漢字のほかに、絵とベトナム語、エスペラント語が添えられており、漢字が読めない人でも意味が分かるようになっている。
書道より本に目がないという人には、旧市街のバッダン通りにあるファン・チャック・カインさんをご紹介する。何の看板も掲げていないが、図書館のように充実した資料が豊富な古本屋として外国のベトナム研究者にもよく知られている。
オペラ座(ハノイ大劇場)やベトナム最古の大学跡「文廟(孔子廟)」もはずせない。かつての科挙試験に合格した82人の氏名と出身地を刻んだ文廟の石碑は今年、ユネスコの世界記録遺産に登録されたばかりだ。
文廟から旧市街に戻る途中のホアンジエウ通りでは、ボー・グエン・ザップ将軍の暮らす家を教えてあげよう。ザップ将軍の名前はきっと聞いたことがあるでしょう。夕飯はハノイ名物の「チャーカー(白身魚のターメリック漬け揚げ焼き)」を召し上がれ。最後にご案内するのは100年の歴史のあるロンビエン橋。この時期に散歩を楽しむには、橋の上を吹く風が冷たいかも。タインニエン通りのカフェで濃いコーヒーを飲んでお別れしよう。