米国で最小の町、ワイオミング州オールバニ郡ビュフォード町を町ごと売り出す競売入札で、ベトナム人実業家が90万ドル(約7170万円)で落札したことがニュースになってから1か月余りが経過した。当初は名前が明らかにされなかった注目の人物、ファム・ディン・グエンさんがその経緯を語った。
(C)Nguoi lao dong、旧町長(左)と新町長グエンさん |
グエンさんはホーチミン市経済大学を卒業後、コカコーラ・ベトナム、ノキア・ベトナム、キンドグループなどに勤めて経験を積んだ後、国際総合物流サービス社(IDS)を設立し、社長に就任した。
グエンさんはある日偶然、ビュフォード町が10万ドル(約797万円)で売りに出されていることを知り、関心を持ち始める。ただし、会社立ち上げのために貯金をほとんど使ってしまっていたので手持ち資金がない。米国在住の親戚や友人にこの話をすると、多くの人が支援を申し出てくれた。
さらにいくつもの偶然や幸運にも恵まれた。渡米するためのビザの取得には通常2週間は必要だが、入札まで4日しか残されていない。ホーチミン市の米国総領事館に事情を説明すると、特別の計らいをしてくれた。