「HieuPC」ことゴ・ミン・ヒエウさん(男性・32歳、南中部高原地方ザライ省出身)は、多国籍サイバー犯罪者集団の1人として2013年に米国で逮捕された、有名な元ブラックハットハッカーだ。米国で7年間服役した後にベトナムへ帰国した彼は今、自分の能力を活かして社会やコミュニティに貢献したいと考えている。
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地元紙「トゥオイチェー(Tuoi Tre)」は、ヒエウさんにインタビューを行った。
間違った道
―――あなたが有名ハッカーになるまでの道は、どこから始まりましたか?
かつて家族が電子機器やパソコンを販売していたので、4~5歳のころには機械に触れていて、触ってはしょっちゅう壊していました。6年生(中学1年生)のとき、あまりにパソコンに熱中していたので両親がパソコンの基礎クラスに通わせてくれました。
7~8年生(中学2~3年生)の夏にはホーチミン市のおじの家に居候しながら、ネットワーク管理とウェブサイトプログラミングのクラスに通いました。パソコンに忙しくて他の科目は落ちこぼれで、家族に禁止されて家出し、ホーチミン市に行くためリュック1つを背負ってカインホア省(南中部沿岸地方)のバスターミナルに向かったこともあります。
10年生(高校1年生)のころには、「アンダーワールド」に参加するようになりました。そこは、ブラックハットハッカーたちが違法行為でお金を稼ぐところです。
14歳のころから銀行やオンラインショップのウェブサイトをハッキングしては、ネット上の掲示板に成果を共有していました。当時はまだ幼かったので、ただハッキングが楽しくて、自分の能力を他人に見せつけたかっただけで、自分が違法行為をしているとは思いもせず、それがどんな結果になるのかもわかっていませんでした。
その後、多くの人から「そんなにすごいのにどうしてその能力をお金稼ぎに使わないんだ」と言われ、銀行やクレジットカード、ゲームアカウントの情報を売買してお金を稼ぐ方法を教えてもらいました。お金を稼ぐのはなんて簡単なんだと衝撃を受けましたね。こうして間違った道を歩み始めたんです。
―――その後、お金稼ぎはどうなりましたか?
その時に稼いだお金でニュージーランドのユニテック工科大学に留学しました。でも、大学で勉強する中で大学のネットワークシステムにセキュリティホールを発見し、大学側に報告したのですが、誰も気にとめませんでした。