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ベトナムにきて、自炊しようと張り切っている人も多いと思います。ベトナムにも日本のようなお米(ジャポニカ米)が売られていますが、値段はベトナム米に比べ少々お高い。節約のため、あるいはベトナムのお米が大好き、という理由で日本のお米よりも細長いベトナム米(インディカ米)を買う人もいると思います。でも、日本のお米と同じように研いで炊けばおいしくできるのでしょうか?今回は炊飯器でベトナム米を炊く場合のおいしくするポイントをご紹介します。
お米を研ぐ時の秘訣は「もみ手」
日本では「お米を洗う」とは言わず、「お米研ぐ」といいますが、ベトナムでは「お米を丸める(vo cơm、ヴォーコム)」と言います。丸めるってどういうことなのか、言葉だけだと想像がつきにくいですが、この研ぎ方がおいしさの秘訣です。それでは、お米を炊く手順を見ていきましょう。
地方や家庭、お米の種類によって研ぎ方は違ってきますが、今回は最も一般的で簡単な方法をご紹介します。
①炊飯器に付属している計量カップでお米を量る
(C) VIETJO Life
普通の計量カップは200ccですが、炊飯器に付属しているカップは180ccだったりしますので、付属のカップで計量したほうが良いでしょう。
②炊飯器にお米を入れる
ベトナムで売られている炊飯器には、内釜のコーティングが剥がれやすいものがありますので、その場合はボールなど他の大きな容器に入れましょう。
(C) VIETJO Life
ベトナムのお米にはよく小石などが混入しています。米を一度にどさっといれるのではなく少しずつ流し込むようにすると、異物を発見しやすいです。
③水を入れて全体をかき混ぜる
(C) VIETJO Life
力をいれず、全体をぐるぐるかき混ぜます。水は水道水でもかまいませんが、お米が水を吸収するので、蒸留水を使ったほうがよりおいしいと思います。
また、最初に入れた水は全体をかき混ぜた後一度捨て、すぐにもう一度いれた水でお米を研ぐと、汚れが流れ出ます。
④米を手に取り、「もみ手」をするように研ぐ
(C) VIETJO Life
お米を片方の手のひらに載せ、もう片方の手をその上に置き、「もみ手」をするように10回ほどこすり合わせます。あまり力をいれず、お団子を丸めるような感じです(だから、ベトナム語で「丸める」と言うのだと思います)。
手に載るお米の量にもよりますが、2カップでしたら4~5回ほどでしょうか。だいたい米全体をやったかな、程度で大丈夫。あまりやりすぎると、お米がぼろぼろになりますし、貴重な栄養素が流れてしまいますので、注意してください。
⑤水を流し、もう一度水を入れて全体をかき混ぜ、水を捨てる
(C) VIETJO Life
研ぎ汁を流し、もう一度きれいな水を入れて全体をかき混ぜ、白濁した水を捨てます。ベトナム米にはぬかの臭みがあまりありませんので、日本米のように何度も研ぐ必要はありません。研ぎすぎると、ビタミンBなどの栄養素が流れ出てしまいます。
ちなみに、ベトナム女性は米の研ぎ汁を取っておき、美容液として使うことがあります。
⑥適量の水を入れ、炊飯器をセットする
炊飯器に書いてあるカップ数のメモリまで水を入れます。火を通しますので水道水でも大丈夫ですが、水道水の状況によってはボトルウォーターを使用したほうがいいかもしれません。パラパラとした米が好きな人は心持ち少なめに、少しねばりが欲しいという人は若干多めに入れると良いです。
⑦すぐに炊飯器のスイッチを入れる
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ベトナムのお米は日本のお米と違い、水を吸わせる必要はありません。 お米を研いだらすぐに炊きましょう 。
ベトナムで売られている炊飯器のボタンは色々なタイプがあり、お米を炊くだけでなく煮たり蒸したりできるものも多いです。例として、上の画像のベトナム語を解説しておきます。
・Gạo thường(ガオ トゥオン):普通の米、ベトナム米を炊くときに押します。日本米もこれで炊けますが、炊き上がった後、蒸らす時間を長くとります。
・Nấu Đồng thời(ナウ ドントイ):同時に調理する。炊飯器の付属容器で炊飯と同時に調理する場合に押します。
・Gạo nếp / Gạo trộn(ガオネップ / ガオチョン):もち米 / 混ぜご飯。もち米や混ぜご飯を炊くとき使います。
・Nấu Chậm / Hấp(ナウチャム / ハップ):煮込みや 蒸し料理をする時に使います。
・Hủy bỏ(フイボー):取り消し。押したボタンをキャンセルしたいとき押します。
・Giữ ấm:(ジウアム):保温。炊き終わるとこのボタンが点灯します。
⑧炊きあがり!
(C) VIETJO Life
炊き上がっても、保温ボタンがついた後、5~10分は蒸らし、余計な水分を飛ばしてから、全体をかき混ぜます。
(C) VIETJO Life
炊飯器によっては、内蓋の水滴が落ちてご飯がべちゃべちゃになる場合があります。その場合は、内蓋を閉めるときに薄手の布巾を一枚噛ませると、余計な蒸気を吸い取ってくれます。
「臭いが気になるからベトナム米はちょっと」、という声をよく聞きますが、ベトナム米の中でも高めなお米を選び、きちんと炊けば、驚くほどおいしくなります。ぜひお試しください。
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