ベトナムで人材紹介を行う JellyfishHR がお届けする在住日本人へのインタビュー。今回は、 22歳の若さでカフェを経営している井上翔太さん です!
大学を中退し、日本語を教えにベトナムへ来たはずが、気づいたら教えている場所へ出入り禁止処分に!? ベトナムで行く当てもなくなってしまったときに運命の出会い!? そして気づいたらカフェ経営!?!? もうジェットコースターのような人生に、驚きの連続です。
そしてこのような人生を歩むきっかけは、高校生の時の海外生活で培った考え方にあるように思います。みなさんも、この記事を読み終わった後、こう思うのではないでしょうか ―― 「人生なんとかなる」
オーストラリア、ボリビアそしてベトナムへ
―― 早速自己紹介をお願いします。
井上: ベトナム、ハノイで QUEEN’S COFFEE JAPAN というカフェを経営しております井上翔太です。よろしくお願いします!
―― 今回のインタビューもQUEEN’S COFFEE JAPANでおこなっています。イチオシのクレープをはじめデザートが豊富で、ごはんメニューも安くて美味しいんですよ。
井上: ハノイ在住の方はぜひ遊びに来て下さい! ごはんメニューもマンガもありますよ。
―― 宣伝はこのぐらいにして(笑)、 今日はなぜベトナムに来たのか、日本で何していたのか、そして実際にベトナムに来るにあたっての葛藤、最後に自分の失敗を踏まえた上で今後ベトナムに来る人へのアドバイスなどを話していただければと思います。
井上: よろしくお願いします。まだ、ベトナムに来て2年なんですけどね。
―― その割にはベトナム語が結構できますよね。
井上: そうですね、周りに日本語を話せる人がいなかったので、もう話すしかなかったです。ベトナム人って英語もしゃべれない人が多いので。
―― のちほどベトナム語が話せるようになったワケなども聞かせてください。最初に、なぜベトナムへ来たんですか? ちなみに今何歳ですか?
井上: 今、22歳です。
―― 22歳でカフェ経営者ってすごいですね。
井上: でも、海外に出てる人って、若くてエネルギッシュな人が多いですよね。確かに僕くらいの年齢だと留学生が多いですが。そもそも海外に出るのは好きなんですけど、正直アジアには興味がなかったです。
―― どこか違うところに行ってたんですか?
井上: 高校生の頃、留学プログラムに応募して南米のボリビアに1年間行っていました。そこも英語が通じなくて、スペイン語で会話していました。その前にも小6の時に、英語塾のプログラムで、オーストラリアのホストファミリーのところに滞在してました。英語は全然しゃべれないんですけどね。
日本語を教えに来たはずが出入り禁止に!?
―― ベトナム語とスペイン語は話せるけど英語は話せない。マイペースでいいじゃないですか。
井上: 来た当初は話せないことで困ることもありましたけど。出身は名古屋の隣の春日井市なんですが、海外行きたいなーと思っていた時に、近所の方がベトナムでカラオケ店を経営していて、 カラオケの女の子に日本語教えてくれないか って言われたのがきっかけです。 なんでもいいから行きたかったので、「行きます」 って言っちゃいました。
―― そのオファーもすごいですね。二十歳そこらの子にいきなり海外で日本語教えてくれないかって。
井上: それが、勉強嫌いなもので、学校が嫌になって休学してた時期だったんですよ。 自分で何かやりたいなと思いながら、もやもやしてた時にちょうどそのカラオケ店の話を聞いたので、二つ返事で「行きます!」って感じでしたね。
―― すごいですね! ご両親の反応はどうだったんですか。
井上: 小学生の時から海外に行かせてくれるような親だったので、特に大きな反対はありませんでした。それで、行ったはいいんですけど、2~3か月教えているうちにカラオケの女の子と仲良くなっちゃって、誘ってくれたおじさんが僕に嫉妬して、そのカラオケ店に出入り禁止になったんですよ(笑)
―― なんですかそれ! 教える目的で来てるのに!
井上: それで路頭に迷ってしまって、ビジネスチャンス見つけたいなーと思いながら過ごしていたら、クレープ屋さんのカフェを経営している方と父がたまたま知り合いで。「息子がハノイでぷらぷらしてる」って話したら、「じゃぁハノイでカフェやりましょう」ってなって、 また二つ返事で「はい、やります」ってなりました(笑) それでQueen’s Coffee Japanができたんですよ。
―― 来た時と同じパターンですね! カフェのほうは立ち上げから行っているんですよね。カフェをやりましょうと言った方は、どの程度助けてくれたんですか?
井上: そうですね。クレープって、粉にしてもフルーツにしても、なかなか現地では材料がなくて。その人が教えてくれたのは、レシピとか、クレープの巻き方とか。ノウハウとかを2週間くらい教えてくれて、「後は頼んだよ」って帰っていきました。
―― では、立ち上げから2週間後には、ほぼ一人で切り盛りしてたんですね。当時21歳ですよね、激動ですね。
井上: 大変でしたね。今まで飲食店のアルバイト経験すら全くなしで、そこからのスタートだったので、本当に大変でした。
若いうちに海外へ100%出るべき
―― 今後海外出たいなって思ってる人に対して、何かお話しありますか。
井上: 海外には100%行った方がいい と思いますね。高校生の時、1年間ボリビアへ行ってたこともあって、これは実感として言い切れます。
―― 高校生の頃の1年間って、ずいぶん長いですよね。
井上: そうですね。でも45人クラスのうち10人くらいが留年して海外に行くんですけど、海外行った組と行かなかった組に分かれた時に、やっぱり海外組のほうが輝いていますね。いろんな経験もしているし、言語も一つ増えるし、何より視野が広がっていたりするので。
―― 確かに自信が付きそうですよね。ちなみにボリビアってどんなところなんですか? そこで何をしたんですか? 学校留年してまで行くわけですよね。
井上: 普段は学校に通って、終わったらサッカーに行って、週末はディスコに行って踊って、とにかく自由でした。その全部がいい経験になりました。僕の高校は工業系だったので、そのまま学校の世界しか知らずに就職しちゃう人も多いんですよ。でも、やっぱりそれだけは避けて欲しいです。海外には出て欲しいなと思いますね。
―― 確かに、アルバイトもしないで就職だけだと、本当にその世界しか知らないで終わっちゃうし、最初の仕事経験が就職だと、新しいことするのにハードルがあがっちゃいますよね。
井上: 僕は学校中退してベトナムに来ちゃいましたからね(笑)、それがいいことかはわからないですけどね。
―― 海外行って一番変わったなと思うこと、ありますか?
井上: そうですね、 とりあえず時間を守らなくなりました。 ボリビアの人って6時に待ち合わせしたら8時、9時に来るんですよ。最初はそれに腹立ってたんですけど、僕もそれくらいの時間に行くようになって、日本に帰ってからも「なんとかなるさ~」って感じになっちゃいましたね。
―― 沖縄の「なんくるないさ~」みたいな感じですね。ちなみに今は時間守ってますか?
井上: いや~怪しいですね。いまだに抜けきらないです。 「なんとかなるさ精神」はあの時、完璧に植えつけられました。 けれどプラス面で言うと「ゆとり」ができましたね。
とりあえず航空券を買ってみてもいいんじゃない?
―― ベトナムに来てから変わったことはありますか?
井上: 実は僕、全く下調べしないで来たんですよ。全然知らないで来て、カラオケ店に入って、大人の世界を知りました・・・。学生からいきなり社会人になったので、この経験は大きいですね。
―― 「なんとかなる精神」で来て実際に何とかなって、今は経営者ですもんね。
井上: 今まで経営というものも全くしたことがなかったので、勉強にもなりましたし、ベトナムの従業員の時給って50~60円なんですけど、それすら払っていくのって難しいんだなって感じましたね。50~60円の重みは大きいです。
―― 確かに。日本じゃお賽銭レベルですけれど。2週目から独り立ち、よく任せられましたね。当時21歳ですよね。
井上: :ありがたいですね。そのおかげでいろいろ勉強できました。
―― 井上さんの話って正直言って・・・参考にならないですね!
井上: これから来たいなーって人は「なんとかなるさ~」でとにかく来てみて下さい!
―― そうですよね! 高校中退でも、ベトナム語1ミリもわからなくても、働いたことなくてもなんとかなる! こんだけ力強いメッセージはなかなかないですよ(笑)
井上: ベトナムには日本人もいっぱいいるので、サポートしてくれる人も見つかりますし、QUEEN’S COFFEE JAPANに来てくれれば僕もいますし。 ベトナムだけではなく、広く海外にぜひ行ってみて欲しいですね。
―― ちなみに、カフェはどれくらいの資金で始められるんですか。
井上: 場所にもよりますけど、小さい店舗であれば内装と機材入れて100万円くらいですかね。
―― そんな程度でできるんですか! ベトナムはカフェ文化発達してますもんね。自分の店舗持ちたい人は必見ですね。これからベトナムへ来る人たちは、もう「なんとかなるさ精神」で来てみたらいいですね!
井上: とりあえず航空券買ってみたらいいと思います。とりあえず来てみれば、なんとかなるんで(笑)。困ったらQUEEN’S COFFEE JAPANまで来てくれたら僕が居ます!
―― 井上さん、他では聞けないようなお話しの数々を今日はありがとうございました!
井上さんのお店の詳細はこちら→ QUEEN’S COFFEE JAPAN