【第1回】今、そう感じる時がありますか?

2017/05/15 06:25 ICT配信

多忙な毎日、多くの物を手に入れ、充実した日々を送っているようだけれど、本当は立ち止まって考えることを恐れていませんか。

なぜなら、一度立ち止まってしまうと、自分は一体何をしているのか、何のために生きているのかが分からなくなってしまうから。

「みなさんはこう感じる時がありますか?」

大抵の場合は、日々の生活で妥協し、いつまでも居心地の良い 無難な生活 から一歩を踏む出すことができません。

変化に立ち向かうには、それなりの勇気と覚悟が必要だからです。

今回のコラム第1回では、私が無難な日常から一歩踏み出した経緯をお話しさせていただきたく思います。

私は、ベトナムの貧困地域の人々を支援しております 非営利型社団法人 「Threads」 の代表を務めております、東山です。

前職は東京の外資ファンドでアナリストをしており、当時はそれが自分の求めている生活、仕事だと思っていました。

忙しい時には週に十数時間しか寝る時間がないくらいびっしりと詰められたスケジュールと共に、何でも手に入れられると思える毎日にただひたすら浸っていました。

日々上下に変動するデータ、出張と社交を繰り返す毎日の中に自分を失っていく・・・。

それは果たして本当に自分が求めていたものなのか?

また、仕事柄、不条理な場面をよく見かけることもありました。

世界では多くの人が最低生活水準以下の生活を送っているにも関わらず、世間の目(特に投資界)はいつもお金儲けのところばかりに目が向けられています。

そのような生活の中で、「自分の仕事は本当に意味があるのか」と。

そうした疑問が自分の中で日々募るようになりました。

私は、自分の 何となく居心地のいい無難な生活から一歩を踏み出し 、慣れ親しんだ東京の生活を捨てました。

そして、ベトナムへたどり着きました。

Center for social initiative program(CSIP)との出会い

なぜベトナムか?

色々理由はありましたが、一番は CSIP との出会いです。

なんとなく途上国に行って見てみたいという思いでボランティアできるところを探していました。

そこで偶然ながら出てきたのがこの団体です。

CSIPは、2009年の時に元々国連組織で働いていたPham Kieu Oanh(ファム・キエウ・オアン)が設立し、 ソーシャルエンタープライズ の支援を行なっています。

ソーシャルエンタープライズとは、事業目的を社会問題の解決とし、株主の利益の最大化を唯一の目的とせずに、利益の一部を地域のために再投資するビジネスのことです。

イメージとしては、募金に頼らず、ビジネスで社会問題を解決する企業と捉えてもらえれば、と思います。

CSIPは、海外の資金を積極的に呼び込んで、ベトナムの スタートアップソーシャルエンタープライズ に繋げる活動をしています。

それは、まさに私がやりたいことで、すぐにボランティアとして申し込みました。

ベトナムへ行ってみて、やはりイメージと違うのであれば、最悪3ヶ月だけで、また帰って就職活動すればいい。

当時の私は、仕事をすぐ辞めてベトナムに飛んできました。

ベトナムで感じ取ったこと

東京からベトナムへは、時空を超えた感じがして、 より自然に近い 気がしました。

また、ベトナム現地では、 貧困層の生活に対する無力さ を感じ取れる一方で、彼女たちが生活のために奮闘している姿も鮮烈に目に映りました。

同じ世界に住んでいるとは思えないほどの過酷な環境の中で、偽りのない笑顔を見せてくれた子供達。

「ひょっとするとこの笑顔が本当の人間の姿かもしれない・・・。」

その笑顔を見て私はそう思いました。

私の人生を変えた一枚の絵

このプロジェクトを立ち上げたきっかけは、一枚の刺繍でできた写真のような絵でした。

近づいてよく見ないと刺繍だと気づかないくらい繊細で、熟練の刺繍スキルと卓越した色のグラデーション技術を必要とする作品です。

しかし、 職人の女性たちの給料は僅か月100USD(約1万1400円) なのです。

似たようなケースはベトナム各地に点在しています。

その原因はデザイン性、機械との差別化、マーケティング・ノウハウ等の欠落にあると私は考えています。

そういった問題を解決できるように、数人の友人の協力のもとプロジェクト 「Threads」 を立ち上げました。

これから何を目指すか

労働力のレベル(スキル)を上げながら、市場に受け入れられる商品を開発する。

その商品をオンライン上にて、より広いマーケットで売ることにより 彼女たちの収入を改善 する。

それが我々の第一の目標です。

そして、 自分たちの成功でソーシャルエンタープライズというコンセプトを世の中に広げられたら幸い です。

以上、今回は、簡単に弊団体(ほぼ個人的な話でしたが)のこれまでの経緯を紹介させて頂きました。

より多くのみなさんに、少しでも興味を持っていただいたり、知っていただければ嬉しいです。

次回は、「サパ特集?少数民族の真実」をテーマに、普段観光だけでは知ることのできないベトナムの一面を紹介したいと思います。

著者紹介
Threads 代表 東山

貧困層女性の自立支援を行っております非営利型社団法人代表の東山です。少数民族の伝統工芸をこよなく愛し、常に「村めぐり」をしております。村民達とさし飲みをしてます。

今回の連載は弊団体の活動とともに、観光だけでは見られない村人の「素」な一面を読者の皆さまにお見せできれば幸いです。


伝統工芸職人の光と闇
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