シンガポール系ユナイテッド・オーバーシーズ銀行(UOB)の最新レポートによると、ベトナムの短期的な経済見通しには好材料と課題が混在している。最も困難な時期は2026年4~9月になると予測する一方、2026年通年のベトナムの国内総生産(GDP)成長率予測は+7.0%に据え置いた。
![]() (C) Bao Dau Thau |
GDP成長率は予測超え、PMI改善もインフレ圧力強まる
2026年1~3月のベトナムのGDP成長率は前年同期比+7.83%となり、2025年10~12月の同+8.46%から鈍化したものの、UOBや米情報会社ブルームバーグ(Bloomberg)の予測を上回った。サプライチェーン多様化を背景に輸出需要が前年同期比+19.1%と力強く、海外直接投資(FDI)実行額も同+9.1%増の54億1000万USD(約8700億円)に達した。
5月のベトナム・PMI(製造業購買担当者指数)は52.8に上昇した。一方で、5月のインフレ率は5.6%と6年ぶりの高水準に達した。鉱工業生産指数(IIP)や輸出の伸びが減速し、1~5月期の貿易収支は▲127億USD(約▲2兆0400億円)の赤字に転じた。インフラ事業の輸入増加と原油高が、今後も貿易収支を圧迫すると予想される。
為替の動向と今後の展望
ベトナム国家銀行(中央銀行)によると、現在の最大の懸念はインフレだ。中央銀行は貸出金利の引き下げを求めているが、信用需要の回復に伴い一部の銀行は預金金利を引き上げた。為替は短期的に下落圧力が続くとみられ、UOBは2026年7~9月の対USD為替レートを1USD=2万6500VND(約162円)と予想している。
なお、世界銀行(WB)は2026年におけるベトナムのGDP成長率を+6.8%と予測しており、中東情勢の緊迫化が貿易や燃料価格に与える悪影響が引き続き懸念されるとしている。



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