グエン・チー・ズン副首相は5月30日、東京都内で開催された日経フォーラム第30回「アジアの未来」で演説し、アジアが躍進し、世界の経済成長をけん引する原動力となるために、今後各国が協力して取り組むべき5つの提案を行った。

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　ズン副首相は、世界が現在直面している課題として、地政学的・地経学的な変動が常態化・多面化する中での不確実性、経済的分断の影響、戦略的競争の激化による信頼の低下、グローバルガバナンスシステムの役割の低下などを指摘した。

　その一方で、アジアは安定した成長を続け、世界経済の柱となる役割を引き続き担い、工業生産ネットワークの集積地として成長し、平和と安定の地域になることが期待されていると強調した。その上で、今後各国が協調して推進すべき事項として、以下の5つの提案を示した。

◇多国間協力メカニズムを刷新し、ウィンウィンの原則に基づく自由貿易体制を強化すること。

◇科学技術開発、イノベーション、デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進すること。

◇人々を全ての政策の中心に据え、包摂的な発展を推進すること。

◇グリーントランスフォーメーション(GX)とDXを中心とする新たな経済モデルを構築すること。

◇連帯、協力、相互尊重を強化すること。