南中部クアンナム省ダイロック郡ダイヒエップ村在住のチャン・ティ・バイさん(72歳)は10年ほど前から、原因不明の不眠症に悩まされている。地元では「眠らないお婆さん」として知らない人はいないほど有名だ。眠れない以外に健康に問題はなく、むしろ活き活きとしている。バイさんの目下の悩みごとは、他のところにあるという。タインニエン紙(電子版)などが報じた。
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不眠の症状が出始めたのは、今から約10年前、ご主人のレ・デさん(75歳)が病に倒れてからのことだ。既に結婚し、独立していた子供達に迷惑をかけないようにと、それまで夫婦2人でしてきた畑仕事に加え、ご主人の介護をたった1人でこなした。睡眠時間を削って働くうちに、次第に眠りが浅くなり、ついには全く眠れなくなってしまった。
そのことを知った子供達は、バイさんを医者に診せ、効き目のありそうな薬を与えたが、全く効果が無かったという。くたくたになるまで働いたり、お酒を飲んだりと、色々試してみたが、眠ることはできなかった。
バイさんは72歳という高齢ながら、毎日の畑仕事、家畜の世話、家事などを欠かさない。子供の時から今までに大きな病気をしたこともなく、食欲も旺盛で、溌剌としている。そんな彼女の目下の悩みは、1日の話し相手がいないことだ。「村のみんなと話していても、眠くなると、みんな家に帰ってしまう。無口な夫と2人きりで、ちょっと寂しいの」。眠れない夜を独りで過ごしてきた彼女の悩みは本人にしか分からないものなのかもしれない。