銀行の職員が、1214万5000VND(約6万9000円)の出金依頼に対して、誤って1万2145USD(約148万円)相当のVNDを手渡した上、受け取ったロシア人女性が行方をくらました事件が話題となっている。
東南部バリア・ブンタウ省警察当局と経済管理秩序犯罪捜査局(PC46)は17日、同省ブンタウ市3街区に一時滞在登録をしているロシア国籍のAnna Studnitsynaさん(女性・36歳)の行方を追っていると明らかにした。
捜査当局によると、Annaさんはドンアーバンク(DongABank)のブンタウ支店にベトナムドン口座と米ドル口座を開設しており、2014年12月に2回、ある企業の日本法人から彼女のベトナムドン口座へ計2140USD(約26万円)相当が送金された。
Annaさんは2014年12月18日、銀行で570USD(約7万円)相当の1214万5000VNDを下ろそうとした。しかし、銀行職員は誤って本来の1214万5000VNDではなく1万2145USD相当の2億5966万6100VND(約148万円)の出金手続きを行った。
誤出金に気付き、1月上旬に同銀行はAnnaさんへ連絡したが、彼女が差額の返金に応じなかったことから、警察に届け出た。当局職員が本人に事情聴取を行ったところ、「下ろしたお金は自分が企業の日本法人から受け取ったもの」と主張。何度か事情聴取を重ねた後、Annaさんは行方をくらまし、以来警察への出頭にも応じていない。
これを受けて捜査当局は2月に入って、在ベトナム・ロシア大使館に事件の詳細を通知すると共に、出入国管理当局に対して彼女の出国を禁じた。Annaさんは、資産の不法流用の罪に当たる可能性もあり、返金に応じなければ、ベトナムの法律に従って処罰が下されることになると見られている。