70万人近くのフォロワーを持つベトナム人ティックトッカー(TikToker)のフア・クオック・アインさん(男性)が最近投稿した動画が、国際問題にまで発展しそうな勢いで炎上している。問題の動画は、カンボジアの象徴であるアンコールワットで撮影されたものだが、背景に隣国タイの国旗と国王の画像を合成して「Hello Thailand」というコメント付きで投稿。これにより、多方面からのひんしゅくを買っている。
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侮辱されたカンボジアだけでなく、ベトナムからも多くの批判的なコメントが寄せられた。動画には、派手なピンク色の民族衣装(カンボジアのものではない)を身にまとった女性がアンコールワットで参拝する姿が映し出されていた。
BGMにもタイ風の音楽が使われており、視聴者から、「アンコールワットはカンボジアの寺院なので、カンボジアの音楽を使うのがふさわしいのでは?」とのコメントもあったが、アインさんは、「カンボジアは好きじゃない」と回答。
この態度に激怒した多数のカンボジア人ユーザーからは、我々の国を侮辱する言動だとして非難の声が殺到。「この動画を投稿して何がしたいの?我々の国を尊重すべき。アンコールワットはカンボジアのもの。この動画は全く笑えない」、「珍妙な衣装。タイの音楽と画像を使っているのに、わざわざアンコールワットで撮影している。一体何を考えているのか?」、「こんな切り貼りの動画を投稿したら、知らない人が観たら、アンコールワットをタイのものと勘違いするだろ」などのコメントが寄せられた。
ベトナム人ユーザーからも、隣国同士のデリケートな問題に土足で踏み込んで相手国の文化と歴史を侮辱する動画に対し、厳しい意見が挙がっている。再生数を稼ぐ目的で、意図的に炎上狙いの動画を投稿したとみられており、多くの視聴者が当局の介入による厳しい処分を望んだ。
予想を上回る大炎上となったことで、アインさんは14日に謝罪動画を投稿し、「カンボジア国民の皆さんに心から謝罪します。自らの配慮に欠ける行為のせいで、このような騒動になるとは思いもよりませんでした。私の間違いでした。もう二度と同じ過ちを繰り返しません。チャンネルは無くなり、動画も削除されました。この動画を観た皆さんには、これ以上の拡散を防ぐため、動画のシェアを止めていただくようお願いします」と述べた。
しかし、この謝罪動画を受けても視聴者らの怒りは収まっておらず、アインさんがこれまでに何度も悪意のある動画を投稿しては炎上を繰り返したとして、反省の色が感じられず、誠実さに欠けていると批判している。
なお、アンコール地域遺跡整備機構(アプサラ)も今回の騒動を受けて声明を発表しており、「我が国の豊かな文化遺産のイメージを破壊する行為」と批判した。