政府査察調査団はレ・ドゥック・トゥイ国家銀行(中央銀行)総裁の息子の会社がポリマー紙幣の印刷に関わっている問題について調査を行うと明らかにした。この問題については今年6月の第9期国会で、国会議員からトゥイ総裁に対して、総裁の息子であるレ・ドゥック・ミン氏が副社長を務める会社がポリマー紙幣印刷に関わっているのは家族への利益誘導ではないかとの質問を行った経緯がある。当時この質問に対し総裁は「紙幣の印刷については公安省や財政省の厳正な審査が行われている」としてこの疑惑を完全に否定していた。
ポリマー紙幣は、従来のコットン紙幣に比べると丈夫かつ偽造されにくいとして2003年末に50万ドン札と5万ドン札が登場したのを皮切りに、現在では10万ドン札、2万ドン札、1万ドン札も流通しているが、紙幣同士がくっついて数えにくい、重ねておくと印刷が剥がれるといった問題点があり、さらに5万ドン札、10万ドン札、50万ドン札については精巧な偽物が出回っているため対策が急がれている。また、1万ドン札の金額表記のカンマの有無のばらつきや50万ドン札の模様の欠如といった印刷上のミスも続発している。