東南部バリア・ブンタウ省の各工業団地内の工場や倉庫、工事現場などから建設資材や設備が盗まれる被害が相次いでいる。同省工業団地管理委員会によると、被害に遭った企業のなかには、1カ月で肥料1300トンを盗まれた肥料会社や、上半期だけで40回も盗難に遭った企業もあるという。
最近では労働者が工事現場や社内の倉庫から鋼材を持ち出そうとして守衛に捕まる事件が頻発している。個人や数人で50~200キログラムの鋼材を隠し持っている場合もあれば、トラックを使って数十トンを運び出そうとした例もある。第1フーミー工業団地内のある企業の幹部によると、同工業団地近くの道路沿いには廃材を売買する店が軒をつらねており、その数は20軒以上に上る。鋼材を持ち出してこれらの店に売る労働者が後を絶たず、さらには守衛などに発見されると別の労働者を呼び集め武器を持って報復に及ぶこともあるという。
こうした盗難事件の多発は、外国投資の環境や建設工事の質に悪影響を及ぼすとの懸念がある一方、企業側にも労働者との雇用契約の不備や低賃金などの問題があると指摘する声もある。