世界自然保護基金(WWF)と国際自然保護連合(IUCN)がこのほど発表した生物多様性に関するレポートによると、ベトナムの一部の野生生物は科学的に存在が確認される前に絶滅する可能性が非常に高いという。
野生生物の取引をモニタリングする非政府組織(NGO)トラフィック(TRAFFIC、WWFとIUCNの共同事業として設立された)も、ベトナム国内で環境保護法や野生生物取引に関する国際協定に違反する行為が年々増え続けていることに警鐘を鳴らしている。ベトナムでは毎年、野生生物とその肉・皮・骨、その他関連製品などおよそ4000トンが外国との間で取引されているとみられている。
これらの野生生物は主にベトナム、ラオス、カンボジアの国立公園で捕獲され、ベトナム、中国、韓国、台湾、日本などの市場に持ち込まれるという。トラフィックはまた、ベトナムの森林管理職員は賃金が安い一方で、1人当たり1400ヘクタールもの森林を管理しなければならず、負担が大きいことを問題点の一つとして指摘している。