世界自然保護基金(WWF)と国際サイ基金(IRF)は25日、ベトナムに生息していたジャワサイが絶滅したと発表した。最後まで生き残っていたジャワサイは、2010年4月に中部高原地方ラムドン省のカットティエン国立公園で死体で発見された個体とみられている。25日付ザンチーが報じた。
WWFとカットティエン国立公園は2009年から2010年にかけて調査を行って22個の糞のサンプルを入手、この糞と発見された死体の遺伝子を調べたところ、全て同じだったことが分かった。この死体は足に銃弾を受け、角が切り取られていた。WWFはレポートの中で、最後のジャワサイは密猟の犠牲になった可能性が高いと結論付けている。
WWFはまた、生息環境の悪化も絶滅を引き起こした原因として指摘、保護区の土地を人が利用するなど保護活動が効果的に行われていなかったとしている。
WWFベトナムの責任者チャン・ミン・ヒエン氏は、「ベトナム最後のジャワサイが死んでしまった。我々は、ベトナムの生物多様性を象徴する貴重な自然遺産の1つを、永久に失ってしまった」と語った。