東南部ビンフオック省のニャンアイ病院で、ベトナム初となる植物のアシを利用した排水処理が試みられている。
ニャンアイ病院はエイズ患者のケアを専門とし、約800人の患者を収容している。1人1日当たり100~200リットルの水が必要で、病院は大量の排水をタクモ湖に排出している。排水はこれまで大型タンクで処理されてきたが、このたびアシを利用した処理が始められた。
専門家によると、利用されるアシは厳しい気候条件下でも生育可能で、根の部分で有機物の分解や医療排水に含まれる重金属の吸収が促進されるという。排水タンク内の砂地にアシが植えられ、アシの根による浄化作用を経た排水がフィルターにかけられて湖に排出される。排水は環境基準をクリアし、処理過程で汚泥や悪臭や騒音を出すこともない。化学薬品を使うよりずっと経済的で、設備は75年間使用可能だという。
この処理方法は、ドイツやスイスなど世界の数カ国で採用されているが、ベトナム国内ではニャンアイ病院が初の試み。近い将来、他の病院でも採用される予定だ。